コットンクラブのレビュー・感想・評価
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コットンクラブの表裏(光闇)を垣間見ながら、ショーの観客気分・ほろ酔い気分でたのしめる
ゴッドファーザーでマフィア暗黒世界を
じっくりニ度も描いたコッポラが、
今度は大人の優雅で豪華な社交会を舞台に
三度目・マフィア界を絡め、
その化学反応を試した?意欲作、実験作とでもいいましょうか。
(結局ゴッドファーザーパート3[四度目マフィア界]も本作後に製作するわけですが)
1920年代、1930年代のニューヨーク、
ダンスミュージックショーを披露する
コットンクラブでの男と女、兄弟、パートナー、白人黒人、煌めくショービジネスと闇社会、権力と新勢力などを取り上げ、まぶしながら進む物語。
常にアダルト、パワフルなダンスが醸され、ミュージックが奏でられ、コットンクラブの表・裏(光・闇)を垣間見ながら、時には観客気分、ほろ酔い気分で充分にたのしめますよ。
優美な気持ちになれるので星満点🌟
見て思ったエトセトラ、
●オープニングから女性たちによる華やかでムーディーな一流の踊りにはワクワクさせられます。
●OP映像と交互に表示されるクラシックで洒落たフォント・デザインによるスタッフクレジットもGOOD👍
コッポラは優秀なデザイナーを抱えてますね。
(最新作メガロポリスのエンドクレジットも見事なフォントとデザインレイアウトでした。
トップオブトップのクリエイターはあらゆるところで手を抜かないし、しっかり目が光っているなぁ)
●男と女が、男の実家で乾杯してからのKISSシーンは、なかなかイイ感じの演出でした。
壁にゆらめく赤い閃光模様が美しかったぁ〜。
映画って、すきなシーンひとつ、ふたつ
あれば、それでもうシアワセですよねっ
●マフィア濃度とダンスショー濃度の
バランスや、全体をつらぬく串刺しコアの
掴度がなかなかむずかしいのですが、
まあ、そこはお好み次第ってことでしょうか。
てへっ ^_^
コッポラ監督、あなたは一体何を撮りたかったの?と疑問符が一杯のまま取り残されてしまいました
コットンクラブ
東京丸の内にも同名のライブレストランがあります
もちろん本作で描かれたかって実在したNYのライブレストランの名前を拝借したお店で、豪華な内装や店名ロゴもそのイメージのままです
昔、ある超有名黒人コーラスグループの来日ステージがあった時に行ってみると、黒人のお客さんも流石に多く、小柄で細くて綺麗な黒人のお姉さまが素敵なイブニングドレス姿だったことが思い出されます
NYの本物のコットンクラブ
1923年に開店
場所はサウスハーレムのレノックスアベニュー142といいますから、今のマルコム X ブールバードとウエスト117ストリートの交差点辺りかと思われます
1935年のハーレム人種暴動で一旦閉店、翌1936年にブロードウェイ48番街という東京で言えば銀座4丁目のような超一等地に移転したものの、結局1940年に閉店した世界的に有名な伝説のライブレストラン
ハーレムといえば黒人街というイメージですが、
大昔はオランダ人街だったそうです
それが20世紀にはいった頃から、奴隷制度が南北戦争の南軍の敗北で廃止されても、戦後の混乱やジム・クロウ法という人種隔離法のような、黒人への差別が強く残ったままの南部から逃がれて来た黒人達が、NYではここハーレムに集まって来たそうです
彼らは下流ながら次第に中産階級となっていきます
1920年代にはハーレム・ルネサンスという文化がこの黒人達の新しい世代に生まれることになります
その色々な文化のうち、音楽とダンスが本作に反映されています
コットンクラブは高級店ですから、客筋も映画スターや、ギャングの親分衆とその手下です
北部東海岸のNYといえど、当時の人種差別では白人しか客として入店できないお店でした
しかし、ライブステージは楽団もダンサーも殆ど黒人達です
黒人達の文化の力は、白人以上の優位性があると認めていたとも言えます
劇中、リチャード・ギアの演じるトランペット吹きは、ジャズ好きのギャングの親分に白人にしてはやるな!と誉めています
黒人達もプライドを持って働いています
終盤には、横暴なマネージャーを彼らはボコボコにしてしまいます
南部では絶対に考えられないことです
戦後の公民権運動の源流はここから始まったのかもしれません
1935年のハーレム人種暴動は、最初の黒人暴動だと言われているのです
しかし、本作のテーマはこれでは有りません
一つの要素ではあるでしょう
本作は、イタリア系のマフィアを扱った「ゴッドファーザー」で取り上げれなかったそれ以外の暗黒街の様相を、このコットンクラブを舞台にして描くことに主眼が置かれています
コットンクラブでのショーのシーンも色々あり、音楽好きも、ダンスも楽しめます
しかし、シーンも回数は大してなく短いものばかりで、ミュージカル的なつもりで観ると不完全燃焼になってしまいます
ステージ衣装や、登場人物達のお洒落な服装も楽しいのに残念です
本当はミュージカル的な形で撮るつもりだったのだと思われます
それほど、音楽もダンスも力が入っています
なのに出来上がりはなんとも、ゴッドファーザーの番外編みたいになってしまってます
結局、ミュージカルなのか、当時のハーレムルネサンス文化を通じて黒人の公民権運動の萌芽を描くのか、NY のイタリア系以外の暗黒街を描くのかのか、男女のラブストーリーを描きたかったのか
どっちつかず、どれもこれも中途半端
全部やりたかったのだろうが、おもちゃ箱をひっくり返しただけで、片付けしないで映画は終わってしまうのです
コッポラ監督、あなたは一体何を撮りたかったの?と疑問符が一杯のまま取り残されてしまいました
正直ガッカリです
口直しにポインターシスターズの1.st アルバムでも聴きたくなりました
イエス・ウィ・キャン・キャンはこの当時をイメージしたヒット曲です
音楽は良かった
映画としての上流
有名ショークラブの裏の人間模様
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 85
ビジュアル: 75
音楽: 75
豪華なキャスト、ゴッドファーザーの流れそのままのギャングたちの振る舞い、その時代のファッションや音楽などが見所。野望・欲望・愛情が踊りや音楽や抗争の中にはめ込まれては次々と登場する。そんな演出の仕方はまさにコッポラ監督らしく粋である。
本作ではリチャード・ギヤよりもグレゴリー・ハインズがやや目立っていたように思う。10代の情婦役のダイアン・レインはまだ本当に10代で美形。
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