ゴッドファーザーPARTIIIのレビュー・感想・評価
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ようやくテーマ曲が
年をとったマイケル。孤独と責任は、彼を蝕む。でも、マイケルを素直に信じる娘のメアリーだけは、ただ一つの彼の癒し。家業の方も順調で、汚い仕事から離れて、まともな仕事で稼いでいる。そこに、バチカンから相談があり…。
バチカンを絡ませたせいか、話が大仰になり、繊細な心情表現があまりない。登場人物も多く、相関図が頭に入らない。バチカンの補填のため、裏の仕事から完全撤退したいのに結局できず、また粛清の嵐。まあ、マイケル本人というより、甥のビンセントがやってるんだけど、なんだかトホホである。
プロデビューできるほど歌が上手いことが判明した、マイケルの息子アンソニーは、念願かなってオペラに出演する。その舞台の進行と並行して、密かに行われる暗殺。ドン・アルトべッロを毒殺しようとするコニー、ゴッドマザー誕生である。そして、終盤にたたみ込むように、次々と人が殺されてゆく。ラスト、マイケルの愛娘メアリーは、父の代わりに凶弾を受ける。マイケルの人生の収支はこれで決し、以後は奪うことも奪われることもなくなった。因果は巡りきったかな。
それにしても、ゴッド・ファーザーのテーマといえば思い浮かぶあの旋律が、3作目の中盤になってやっと登場するとは。この曲が1作目から使われてたら、かなり違うだろうな。
BS12の放送を視聴。
コッポラの娘が卑しく感じて共感できない!
名作なので何とか
アンディ•ガルシアがいい
壮大なシリーズの完結。
終わった…
みたび、ゴッドファーザーの絶頂から始まるオープニング。ヤクザな稼業の全てを仲間(と言っても他人)に任せ、ローマ法王庁に6億ドル!を融資した見返りに、法王庁が運営に深く関与する名門会社の株を取得し、真っ当な実業家の道を歩み出す。
…などと、都合よく話が進むはずもなく、他のファミリーばかりか法王庁内部の勢力からもさまざまな妨害にあう。枢機卿に懺悔し生まれ変わった気持ちになった主人公だが、周囲の動きはいやがおうにもきな臭く、結局、殺し合いが続く。
なんともやり切れない展開だが、158分(今回の再編集で4分短くなったらしい)は、異様な緊張感を伴いながら過ぎてゆく。この緊張感は、副題を「マイケル・コルレオーネの死」としたことが成功していると思う。(初上映の際には、パラマウント側が却下したと聞くが、今回のデジタルリマスターでは、副題としてちゃんと入ってるね)
観た後で知ったのだが、バチカンにおける金融スキャンダル、ヨハネ・パウロ1世の就任わずかでの不審死(1978年)、ロベルト・カルヴィ暗殺事件(1982年)は全て実在の事件なのね。なんか、史実はこの映画の通りかと信じ込んじゃうよね。すごい作り。実際に、バチカンとイタリア政財界、マフィアの3者の癒着は強烈にあったんだろうな。そうとは知らず、裏街道でない道を求めてそこに行き着いてしまった主人公。ヨーロッパのコングロマリット、そこまで手をつけたファミリーはいない、という主人公の自負をかんがえると、悲劇ではあるが、自業自得としか言えない。
栄華を象徴する "パーティーの華やかさ" は、三部作に貫かれ、今回もそれは見事。その中で主人公が語る「一番の宝は富ではなく、子供だ」というセリフも、終わってみれば、終盤の悲劇の前振りになっていたのか… さらに今回はラストのオペラシーンもある。ただ、オペラシーンは、緊張感ピークの中で過ぎていくから、その豪華さに俺が注目している余裕がない。
「命を狙われたら、子は親を守る。妻や子も守る。だが君は去って行った。何のための闘いだったのか」 たしかに、Ⅲ は、Ⅰ やⅡ と雰囲気がやや異なり、栄華の中でも上のセリフが延々と語られ続ける感じ。だから、三部作の中で人気が若干低いのかな。とはいえ、こういう〆にしたことが、この三部作を名作として世に残したことも確かだと思う。クライムムービーの正しいエンディングだ。シチリアに始まり、シチリアで終わる。
いや、面白かった。ありがとう、ゴッドファーザー。ありがとう、3週連続上映してくれた目黒シネマ。三部作として一気見できたのが、非常によかった。このⅢ だけを単独で観たら、もう少し冷たい評価になってしまったかもしれない。三部作のⅢ として、すごくよい出来と思う。
おまけ
主人公の死は、心の死だったんだね。
おまけ2
Ⅱ から16年後の公開だったのか。そりゃアルパチーノも年齢相応になるわな。というか、その時期まで待って作ったのかな?
マフィア映画の罪禍と落とし前
「ゴッドファーザーは1と2だけ見ればいいよ」などと吹聴してきた奴が過去にいたのだが、お前みたいな奴はもう映画を見るなよと憤ってしまいたくなってしまった。それほどの傑作であり、欠かすことのできない画竜点睛だったと思う。
ひとたびその闇に飲み込まれてしまった者は、いかなる手段を講じようとそこから逃れ出ることはできないのだというマフィアの運命性が神話的色調の中で丁寧に雄大に歌い上げられる。
『仁義なき戦い』の脚本家として有名な笠原和夫も確か同じようなことを言っていたが、マフィア映画やヤクザ映画というのは破滅することにこそ美学がある。そしてそれはもっぱら「主人公の死」によって表現される。『暗黒街の顔役』も『スカーフェイス』も『昭和残侠伝』も『ソナチネ』も全部そうだ。
しかし一方で本作のマイケルには死すら与えられない。死という唯一の美さえも彫琢してもらえぬまま、ひたすら引き伸ばされた空白の人生を虚ろに漂い続ける。
敵や上司、果ては兄や妻に至るまで、常に他者を蔑ろにし続けてきたマイケルにはこのような最期が相応しいし、彼自身もそれを甘んじて受け入れているのではないかと思う。またそのような彼の自罰意識は、作品全体に漂うカトリック的世界観とも合致している。
マフィア映画やヤクザ映画が「死」を描写することによって都合良く逃れてきた罪禍を、神経症的なまでに抱え込み続けることによって本当の「落とし前」をつけた映画が本作だといえる。
甥の体毛がすごい。
Part1、Part2と比べるとやや見劣りする気がした。登場人物が...
久しぶりだが、初めて見たかのように良かった
繰り返される歴史と孤独
70点
バチカンの
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