ゴッド・アーミー 悪の天使

劇場公開日:

解説

聖書に描かれたイメージとは正反対に、破壊と死をもたらす天使が登場し、敵対する天使や悪魔、人類と三つ巴の戦いを繰り広げる異色のサイキック・アクション。監督・脚本は「ハイランダー 悪魔の戦士」「バックドラフト」の脚本を手掛けたグレゴリー・ワイデンで、彼の監督デビュー作。製作はジョエル・ソアソン。撮影はブルース・ダグラス・ジョンソン(アリゾナ)とリチャード・クレイボウ(LA)。編集は「キャプテン・スーパーマーケット」などのベテラン、ソニー・バスキンがそれぞれ担当。出演は、「パルプ・フィクション」のクリストファー・ウォーケンが大天使ガブリエル役を怪演するほか、同作のエリック・ストルツとアマンダ・プラマー、「ミュータント・タートルズ」のエリアス・コティーズ、「キャンディマン」のヴァージニア・マドセン、「プレイデッド」のヴィーゴ・モーテンセンら、クセ者揃いのキャスト。

1994年製作/アメリカ
原題または英題:God's Army
配給:日本ビクター=東北新社
劇場公開日:1994年12月10日

あらすじ

神父に任命される直前に信仰への疑問を覚え、数年後に刑事となったトーマス(エリアス・コティーズ)は、ロサンゼルスのアパートで起きた殺人事件の捜査に当たる。事件は2人の男が争った末にひとりが窓から墜落死し、もうひとりは逃走したと見られた。現場に残された聖書には「天国の2番目の戦い」という存在しないはずの黙示録の最終章が記されていた。そして解剖の結果、被害者は人間ではないことが判明。同じ頃、アリゾナでは、ロスの格闘で傷を負った男が教会に安置されたホーソン大佐の死体の口から、その魂を吸い取った。男はシモン(エリック・ストルツ)という天使で、死を悟った彼は、ナバホ族の少女マリアの体の中に大佐の魂を隠す。一方、ロスでは神に裏切られたのを恨み、天国を破壊し人類を排除するための戦いを指揮する大天使ガブリエル(クリストファー・ウォーケン)は、手下のウジエルがシモンに倒されたことを知る。彼は人類抹殺の切り札として、強力な軍団を指揮できるホーソン大佐の邪悪な魂を必要としていた。シモンは彼らの陰謀を阻止すべく、地上に送り込まれていたのだ。ガブリエルはアリゾナに向かい、時を同じくしてトーマスも事件の捜査で現地を訪れ、マリアとその教師キャサリン(ヴァージニア・マドセン)と知り合う。シモンを殺したガブリエルは、少女の体に隠された大佐の魂を奪おうとするが、トーマスとキャサリンに阻まれる。天国の覇権を巡る戦いに巻き込まれたことを知った2人は、ナバホ族の呪医(演じるは本物の呪医ジョーンズ・ベナリー)に、その魂を引き離してもらおうとする。ガブリエルは病院で死んだ患者レイチェル(アマンダ・プラマー)を生き返らせて使者に仕立て、執拗にマリアを狙う。この機会にガブリエルを倒そうとする、キリストそっくりの風貌の悪魔ルシファー(ヴィーゴ・モーテンセン)も現われ、壮絶な超能力戦が展開された。ついにルシファーはガブリエルを倒し、地球の命運は保たれた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5かつてゴスや厨二病のケが(少し)あった自分が歓喜した作品であり、クリストファー・ウォーケンの「人間ジャナイ感」を堪能できる一本。ヴィゴ・モーテンセンも出てるよ

2025年3月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

クリストファー・ウォーケンはどの映画でも多少なりとも人間ジャナイ感を漂わせていると思う。唇が薄い爬虫類顔というのもあるし、冷酷な人間を演じるのがメチャクチャ上手いということもそう感じてしまう原因だろう。

『007/美しき獲物たち』で演じた、元ナチスの科学者による実験で生まれた異常な天才ヴィランとか、『スリーピー・ホロウ』の首なし騎士などは人間ジャナイ感を漂わせている役柄の最たるものである。
実は舞台のミュージカル俳優出身で歌って踊れる人でもあり大の猫好きでもある。
カワイイ。ギャップ萌えってヤツだ(笑)。
でも、だからといって彼が演じる冷酷なヴィランたちの人間ジャナイ感がいささかも減じるものではない。

この映画もクリストファー・ウォーケンの人間ジャナイ感を堪能できる一本である。
彼が演じるのは人類を絶滅させようと企む大天使ガブリエルである。人間ジャナイに決まってる。

大天使ガブリエルともあろうものが、なんで人類を絶滅させようとしているのかというと、神が人間だけを愛していて天使を愛してくれないから。人間に嫉妬したのである。
もうちょっと高尚な理由とか深遠な理由はなかったのかと思うが、なかったんだから仕方がない(笑)。
でもそれでいいのだ。
結果として嫉妬に狂ったDV男のような下卑たヤサグレ感を持つ凶暴な天使という、今まで見たことがないような面白すぎるキャラクターが誕生したのだから。
このガブリエル、人間のことを「しゃべる猿ども」と口汚く罵ったりしてかなり柄が悪いのであるが、そこはクリストファー・ウォーケン。ヤサグレているだけでなく悪の品格も漂わせていて、とにかくスタイリッシュでカッコいいのだ。
天使映画史上屈指のカッコよさである。

自分は天使や悪魔が出てくる映画が大好きでずいぶん観てるが、人間の格好をした天使や悪魔というのはどうしてもコメディ寄りになってしまうものであり、シリアスなタッチの映画でカッコいい天使が見られるというのは滅多にない。初めて観た時メチャクチャ嬉しかった。

さらに嬉しいことに悪魔もカッコいいのだ。
『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で大ブレイクする前のヴィゴ・モーテンセンがサタン(ルシファー)を演じている。
登場場面は短いが強烈な印象を残すキャラクターで、こちらも悪魔映画史上屈指のカッコよさなのだ。

シリアスなタッチの映画でスタイリッシュな天使や悪魔が出てくる作品は、この後はキアヌ・リーブスの『コンスタンティン』(2005)まで待たねばならない。
考えてみれば『コンスタンティン』に出てくるガブリエルを演じたティルダ・スウィントンも唇の薄い爬虫類顔で人間ジャナイ感の強い女優だ。『コンスタンティン』に出てくるガブリエルやルシファーも悪くはなかったが、やっぱりカッコよさという点では『ゴッド・アーミー』の方に軍配が上がる。
『コンスタンティン』を好きだという人が日本にどれどけいるか分からないが(笑)、そういう人がいたら『ゴッド・アーミー』は絶対観ておくべき映画である。

繰り返しになるが、この映画に出てくる天使も悪魔もみんなカッコいい。みんなコートの裾をはためかせてカッコいいのだ。
ゴスや厨二病のケが少しでもある人、かつてそのケがあった人なら歓喜する映画。
そうでない人にはまったく無縁の映画。
自分は20代半ばでレンタルビデオでこの映画を観て歓喜した側の人間である(笑)。
この映画の脚本や演出がいささかユルめなのはこっちも百も承知なのだから、ゴスや厨二病のケがない人がうっかり近寄ってきてこの映画にケチをつけるのはどうかやめていただきたい(笑)。
そんな風に切に願ってしまう、自分にとって愛おしい映画である。

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盟吉津堂

3.5天使でありながら、 暴力的で人間嫌いなガブリエル。 クリストファー...

2022年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

天使でありながら、
暴力的で人間嫌いなガブリエル。
クリストファー・ウォーケンの怪演がはまっていました。
天使なのに神聖さまったく感じさせない怪しい身のこなし、
天使座りの発明、
CGなどそんなにはお金をかけてないと思うが、
宗教的な世界観うまく表現できていて良かったです。
たぶん聖書のストーリーを知っていれば
もっと映画を楽しめると思うので、
いつかは聖書を読んだ方がいいのかな。

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あとぅーし

1.0最低。

2019年1月29日
PCから投稿

寝られる

バック・ドラフトの脚本家の処女作ってことで見てみた。とてつもなく退屈だった。こんなもんが何故映画化されたのかわからない。

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タンバラライ

4.5クリストファー・ウォーケン!

2015年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

クリストファー・ウォーケンのガブリエルが見事。
比較対象としてはアルパチーノがルシファーを演じる「ディアボロス」あたりかも。
低予算ながらもみごとな脚本。
88点。

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neonrg

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