「【”限りなき愛。そして、男の心中に現れる思い出せない貴女。”今作は、一人の男の記憶喪失を軸とした物凄くジレッタイが、それ故にラストの多幸感が素晴しき気品溢れる恋物語なのである。】」心の旅路 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”限りなき愛。そして、男の心中に現れる思い出せない貴女。”今作は、一人の男の記憶喪失を軸とした物凄くジレッタイが、それ故にラストの多幸感が素晴しき気品溢れる恋物語なのである。】
■第一次世界大戦で、記憶を失いセルブリッジ精神療養院に入れられた仮称、ジョン・スミス(スミシィ)。(ロナルド・コールマン)そんな彼の、記憶はないが基本漂う姿に惹かれた踊り子ポーラ(グリア・ガーソン)は、彼を連れセルブリッジのバーに行き、煙草屋で煙草を買い、徐々に恋に落ち結婚し、幸せな家庭を築き、子供も出来る。
だが、仮称、ジョン・スミスは出張先で車で頭を打った時に自分が実業家の息子、チャールズ・レイニアという事を思い出し、代わりにポーラとの記憶は失い、3年振りにチャールズ家の跡取りとして実業家の道を歩み始める。
そんな彼の元に、ハンソン・マーガレット(グリア・ガーソン:2役)という女性が現れ、彼の有能な秘書として働き始めるが、どこか表情は憂いを帯びている。
チャールズを思う姪のキティ(スーザン・ピータース)の思いを受け入れ、彼は彼女との結婚を決意するが、キティはチャールズが自分ではなく、別の誰かを見ている事に気付き、婚約を解消するのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・良く出来た脚本と、踊り子ポーラの、物凄くジレッタイ姿に、”何だよー。何で、真実を言わないんだよー。”と思いながら観賞を続けるが、ポーラの自分が踊り子だったからか、只管にチャールズ・レイニア(スミシィ)が、自分の事を自力で思い出す事を長い間、願う”限りなき愛”が、良いのだなあ。
・チャールズ・レイニアは、キティに去られ(振られ)、”立場上”ハンソン・マーガレットに、求愛するが、当然ハンソン・マーガレットは嬉しそうではないが、その申し出を受けるのである。
そして、チャールズ・レイニアから貰った高価な首飾りを付けるも、彼女は部屋に行き、且つてスミシィが自分の為に買ってくれた、自分の瞳の色と同じ安い首飾りを引き出しの奥から出して、じっと眺めるのである。じれったいなあ、もう!
・そして、又数年が過ぎ、チャールズ・レイニアは仕事で”行った事がない”セルブリッジの街に行き、且つてポーラに連れていかれたバーに行き、煙草屋に行き、徐々に”忘れていた事”を思い出して行くのである。
<そして、彼はフラフラとセルブリッジのの郊外にある、且つてポーラと暮らしていた小さな家の前に行き、ポケットにずっと入っていた鍵を、その家の扉の鍵穴に明けると、家の扉はスッと開くのである。
そして、彼がその家に入った時に、彼の行き先を聞いていたポーラが”スミシィ・・”と涙ながらに呼びかけると、チャールズ・レイニアことジョン・スミス(スミシィ)の頭の中は、霧が晴れたように全てを思い出すのである。
今作は、一人の男の記憶喪失を軸とした物凄くジレッタイが、それ故にラストの多幸感が素晴しき気品溢れる恋物語なのである。>