心の旅路

劇場公開日:1947年7月

解説

「失はれた地平線」「チップスさん左様なら」のジェームズ・ヒルトン作の小説の映画化で主役は「キューリー夫人」のグリア・ガースンと「消え行く灯」のロナルド・コールマンが勤める。「大地」のクローディン・ウェストが、ジョージ・フローシェル、「紅はこべ」のアーサー・ウインベリスと協力して脚本を書き「キューリー夫人」と同じくマーヴィン・ルロイ監督、シドニー・A・フランクリン製作、ジョゼフ・ルッテンバーグ撮影のスタッフによってものにされた。助演は新人フィリップ・ドーン及びスーザン・トラヴァース、レジナルド・オーウェン、ライス・オコナーその他で、ピータースを除けば全部英国俳優のキャストである。

1942年製作/アメリカ
原題または英題:Random Harvest
劇場公開日:1947年7月

あらすじ

1918年、中部英国メイブリッジの病院に記憶を失った病兵スミス がいた。11月11日休戦の日、スミスはメイブリッジの町に迷い出て、旅まわりのショーの踊り子ポーラと相知る。ポーラはスミスの病気を治してやるために、ショーをやめて、デヴォンの田舎に落ち着く。スミスは記憶こそ回復しないが、健康を取りもどしたので、今は相愛のポーラと結婚し、一子をもうける。ある日スミスは寄稿している新聞社の呼び出しでリヴァプールへ行くが、雨の街路に滑って頭を打つ。そのために彼の記憶はこつ然とよみがえったがフランス戦線以来現在までの3年間の記憶を失った。彼は不審に思いつつも、自分すなわちチャールズ・レイナーの家、サレイのランドム・ホールへ帰る。ちょうど父の葬儀のあった晩で、翌日父の遺言状が開封され、チャールズはランドム・ホールの主人となる。やがて兄に代わってレイナー商会主となり、実業界に雄飛する。この間にポーラは子供を失い、スミスがレイナーであることを知り、女秘書となって仕える。レイナーは秘書マーガレットがポーラであり、自分の妻であることが思い出せない。スミスとポーラの愛の家の鍵をレイナーが常時持っているのでポーラは希望をつなぐ。レイナーは国会議員となり、マーガレットに名だけの妻になってくれと頼む。記憶の回復を待つ彼女はそれも承知する。しかし、ついに絶望かと観念した彼女は別居を申し出て、南米へ赴くこととなり、路すがらデヴォンの愛の家を訪れる。その時レイナーはブリッジへ所用で行き、そこで記憶を少しずつ回復し、かの田舎の愛の家へとたどり着く。例の鍵はその鍵であった。そしてそこにポーラが立っていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

5.0 久しぶりに見てハッピーエンドに感涙

2025年9月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

癒される

マービンルロイ監督作品は話がしっかりしているので今見ても色褪せないですね。愛と言うのか恋愛映画って名作はいいですね。
ロナルドコールマンがずっとにぎりしめてた鍵を開けて振り返るとそこにはポーラがいてスミシィと言い固く抱擁するんですよね。ここはもう涙でした。もう何回も観ているのに。
ロナルドコールマンがいいですね。気品があってハンサムだし、男の自分が見ても惚れ惚れします。
主人公がハンサムであることがこの映画を成立させる肝ですし。コールマンがアカデミー賞主演男優賞を受賞した二重生活もハンサムがキーポイントでした。

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芭蕉翁

4.0 【”限りなき愛。そして、男の心中に現れる思い出せない貴女。”今作は、一人の男の記憶喪失を軸とした物凄くジレッタイが、それ故にラストの多幸感が素晴しき気品溢れる恋物語なのである。】

2025年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

■第一次世界大戦で、記憶を失いセルブリッジ精神療養院に入れられた仮称、ジョン・スミス(スミシィ)。(ロナルド・コールマン)そんな彼の、記憶はないが基本漂う姿に惹かれた踊り子ポーラ(グリア・ガーソン)は、彼を連れセルブリッジのバーに行き、煙草屋で煙草を買い、徐々に恋に落ち結婚し、幸せな家庭を築き、子供も出来る。
 だが、仮称、ジョン・スミスは出張先で車で頭を打った時に自分が実業家の息子、チャールズ・レイニアという事を思い出し、代わりにポーラとの記憶は失い、3年振りにチャールズ家の跡取りとして実業家の道を歩み始める。
 そんな彼の元に、ハンソン・マーガレット(グリア・ガーソン:2役)という女性が現れ、彼の有能な秘書として働き始めるが、どこか表情は憂いを帯びている。
 チャールズを思う姪のキティ(スーザン・ピータース)の思いを受け入れ、彼は彼女との結婚を決意するが、キティはチャールズが自分ではなく、別の誰かを見ている事に気付き、婚約を解消するのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・良く出来た脚本と、踊り子ポーラの、物凄くジレッタイ姿に、”何だよー。何で、真実を言わないんだよー。”と思いながら観賞を続けるが、ポーラの自分が踊り子だったからか、只管にチャールズ・レイニア(スミシィ)が、自分の事を自力で思い出す事を長い間、願う”限りなき愛”が、良いのだなあ。

・チャールズ・レイニアは、キティに去られ(振られ)、”立場上”ハンソン・マーガレットに、求愛するが、当然ハンソン・マーガレットは嬉しそうではないが、その申し出を受けるのである。
 そして、チャールズ・レイニアから貰った高価な首飾りを付けるも、彼女は部屋に行き、且つてスミシィが自分の為に買ってくれた、自分の瞳の色と同じ安い首飾りを引き出しの奥から出して、じっと眺めるのである。じれったいなあ、もう!

・そして、又数年が過ぎ、チャールズ・レイニアは仕事で”行った事がない”セルブリッジの街に行き、且つてポーラに連れていかれたバーに行き、煙草屋に行き、徐々に”忘れていた事”を思い出して行くのである。

<そして、彼はフラフラとセルブリッジのの郊外にある、且つてポーラと暮らしていた小さな家の前に行き、ポケットにずっと入っていた鍵を、その家の扉の鍵穴に明けると、家の扉はスッと開くのである。
 そして、彼がその家に入った時に、彼の行き先を聞いていたポーラが”スミシィ・・”と涙ながらに呼びかけると、チャールズ・レイニアことジョン・スミス(スミシィ)の頭の中は、霧が晴れたように全てを思い出すのである。
 今作は、一人の男の記憶喪失を軸とした物凄くジレッタイが、それ故にラストの多幸感が素晴しき気品溢れる恋物語なのである。>

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NOBU

4.5 スミシィ‼️

2025年3月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

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活動写真愛好家

4.5 涙、涙、涙

2025年3月10日
PCから投稿

本当に泣ける。
通常泣ける映画は子供か動物が主役なんだけど、
大人の恋の物語でこんなにも泣ける映画は
ゼロとは言わないが、なかなかに少ない。
主演の2人もはまり役。
このストーリーにぴったりで、マービン・ルロイの演出も
2人をとても美しく描いている。
ロナルド・コールマンとグリア・ガースンは大好きな俳優。
お金を払って2時間、素敵な夢物語の世界に浸れる幸せなひと時をどーぞ。

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ニューマン

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