「黒澤明作品 こちらもオススメ」生きる(1952) kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
黒澤明作品 こちらもオススメ
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人は自分の死期を悟ってからどのような行動をとるのか?という普遍的なテーマを実に味わい深く魅せてくれた作品だと思いました。主人公の心の揺れと反抗、そして受容から最も高尚な人間の尊厳、それが彼にとってはこと無かれ主義のお役所務め人をやめて、自分が生きた証として公園整備の実現だったわけです。
志村喬さんのアップが多用されますが、こんなに画面の中の人に心を介入されたのは初めてのような気がします。彼以外の出演者もそう、生きた表情の演技が迫ってくる感じで圧倒されました。私が一番、印象に残った場面は、高らかに歌われるHAPPY BIRTHDAY♪の歌声の中、自分の使命に気付くあの瞬間、肉体では命尽きようとしていた人間が、魂で生まれ変わったあの瞬間です。心が揺さぶられました。
「命短し、恋せよ乙女~♪」の歌も効果的でした。他の方のレビューが素晴らしく、観てみたのですが、本当に良かったです。私もおすすめします。
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