「生きたい」生きる(1952) えらさんの映画レビュー(感想・評価)
生きたい
映画好きなら黒澤明ぐらい見とかないとなあ。そんな感じで、半ば義務的に見た。正直ナメきっていた。今までそんな風に見てきた作品には別段面白くないものもあったから。結果、やられた。見た後に画面の前から動けなくなるあの感じ。黒澤の影響を強く受けた監督の一人であるクリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』を初めて見た時の感じを強く思い出した。まだ映画見始めのこの時期に出会えて本当に良かった。これからの映画人生において忘れることのできない一本になった。しばらくは、もしかすると生涯、暗闇の中に光る志村喬の眼光が僕の心を捉えて離さないかもしれない。今だからこそ見られるべきと言う言い方はよくされるが、日本国民なら何時如何なる次第の誰しも心にひっかかるものがあるのでは。自らの保守、保身、事なかれに徹する主人公を死んでいると揶揄する冒頭のナレーションに自分を重ねるのでは。やりたいこととやるべきことが一致した人間が燦然と放つ眼の輝きに眩しさを感じるのではないか。
…という風に普段のぐたぐだな感想からは程遠い大仰な文章を書きたくなってしまう程度に心動かされました笑
今打ち込むことがない人、うまくいかない全ての人に。
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