劇場公開日 1999年6月26日

「【”極悪なる魂の継承。”今作は元ナチス高官の老人との交流により人を殺す事に興味を持った成績優秀な高校男子の心に狂気が宿る様を名匠ブライアン・シンガーが描いたサスペンススリラーなのである。】」ゴールデンボーイ(1998) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”極悪なる魂の継承。”今作は元ナチス高官の老人との交流により人を殺す事に興味を持った成績優秀な高校男子の心に狂気が宿る様を名匠ブライアン・シンガーが描いたサスペンススリラーなのである。】

2025年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

難しい

■ロサンゼルスに暮らす成績優秀な高校生・トッド・ボウデン(ブラッド・レンフロー::若くして薬物中毒になり早逝)は、ナチスによるホロコーストの研究を続けていた。
 ある日、近所に住む老人アーサー・デンカーがかつてナチスドイツの高官の戦争犯罪人・クルト・ドゥサンダー(イアン・マッケラン)だということを知ってしまう。
 トッド・ボウデンは、それを知りながら、老人を脅し彼がナチスドイツに行った非道なる行為の数々を聞き、目を輝かせていくのであった・・。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作のスティーブン・キングによる短編原作は、学生時代に読んだ記憶がある。非常に恐ろしくも引き込まれたモノである。
 今作が、イヤミスどころではなく恐ろしいのは、成績優秀な高校生・トッド・ボウデンが成績優秀でありながら、ナチスの行った行為に興味を持ち、実際の高官に遭った事で、その狂気性を開花させていく様の描写である。

・トッド・ボウデンは、あろうことかクルト・ドゥサンダーと取引し、彼の行った行為を好奇心いっぱいの表情で聞いているのである。
 だが、その為に学校の成績は急降下し、指導カウンセラーのエド・フレンチ(デヴィッド・シュワイマー)に呼び出されるが、そこに現れたクルト・ドゥサンダーは、彼の祖父と偽り彼を自分の家で勉強させると言い、救うのである。
 今作ではトッド・ボウデンとクルト・ドゥサンダーの駆け引きも、妙味である。

・だが、浮浪者の男がクルト・ドゥサンダーにまとわりついた事で、彼は狂気性を発揮し男を地下室に閉じこめ、トッド・ボウデンを呼び出し彼に”人を殺す気分”を味わわせるために、その男をスコップで撲殺させるのである。が、クルト・ドゥサンダーも心臓発作で病院に担ぎ込まれるのである。
 だが、彼の病床の隣の病床に居た男は、且つて妻子をクルト・ドゥサンダーに殺されたにベンジャミン・クレイマーであり、彼の通報でモサド、FBI捜査官がクルト・ドゥサンダーが現れるが、クルト・ドゥサンダーは隠し持っていた毒薬で命を絶つのである。そして、クルト・ドゥサンダーの地下室から浮浪者の男の撲殺死体が発見されるのである。

・一方、高校を首席で卒業したトッド・ボウデンだが、クルト・ドゥサンダーとの関係をFBI捜査官に問われるも、笑顔でシラを切り、一方指導カウンセラーのエド・フレンチはクルト・ドゥサンダーとトッド・ボウデンとの関係を怪しむのだが、トッド・ボウデンは逆に彼に同性愛者という噂を言いふらし、人生を台無しにするぞと脅して、追い返すのである。

<今作は、元ナチス高官の老人との交流により人を殺す事に興味を持った成績優秀な高校男子の心が狂気性を帯びていく様を名匠ブライアン・シンガーが描いた作品なのである。>

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