荒野の用心棒のレビュー・感想・評価
全43件中、41~43件目を表示
なんともベタベタな古い西部劇なのだが
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 75
いかにもという音楽に乗せて、一人のガンマンが荒野を馬に乗ってやってくる。その危険な町で、早速性質の悪そうなガンマンたちに絡まれる。注文もないのに早速彼の寸法に合わせて棺桶が製作される。なんというわざとらしいベタベタな西部劇なのだろう。物語は黒澤映画のリメイク?だが、そのベタな雰囲気のせいで、笑えるくらいすっかりベタな西部劇に変身してしまっている。そこでイーストウッドがその後に通じる変わらぬクールな役柄を演じて存在感を見せている。
そんな無茶なという場面もあるし、正直そんなに洗練された物語とは思わないのだが、このベタな雰囲気とイーストウッドのせいで迫力のある娯楽作品になった。今となってはやはり古臭さも感じるのだが、時々彼が放つ気の利いた科白と共にイーストウッドの人物像の印象が確立され、その後の出世の原型が見られる。要するに西部劇に徹した演出が良かったのだろう、結局退屈せずに見られる作品に仕上がっていた。
反則的な面白さ
黒澤明の傑作「用心棒」をイタリアで西部劇としてリメイク。
…と言うより、無許可でリメイクした盗作。
これで酷い出来だったら許し難いのだけど、面白いんだな、これが。
ストーリー展開は「用心棒」をほとんど踏襲。「荒野の七人」は多少なりとも脚色されていたが、8〜9割酷似。ちょっとしたシーンや描写も含めて。
でも、ラストのポンチョの下の防弾具はこの作品ならではのオリジナルアイデアで、主人公の大胆不敵な性格を表している気がする。
セルジオ・レオーネのこってりとした演出とクリント・イーストウッドのニヒルな存在感がピタリとハマった。
エンニオ・モリコーネの音楽も忘れられない。
マカロニ・ウエスタンの代表作。
ハリウッド製西部劇とは一味違う面白さ。
今さら感ありすぎの『用心棒』との比較レビュー……
TOHOシネマズにて開催中の『午前十時の映画祭』にて鑑賞。
言わずと知れた西部劇の傑作ですが、初鑑賞。
ご存知の方も多いと思うがこの映画、
黒澤明監督の『用心棒』のリメイクなんですね。
オリジナルの『用心棒』がメチャクチャ好きな自分(と言っても20代後半)としては、
「オイオイどうせ刀を銃に変えただけの二番煎じじゃろ?」
なんて思ってた訳ですよ、今まで。
テレビ番組でもよく『棺桶4つ』のシーンがソックリだとか
半分馬鹿にしたような感じで比較してたりするしね。
ううむ、イカン。
やっぱりそういう先入観はダメだと改めて思い知らされましたわ。
ここまで面白いとは正直思ってもみなかった!
何はさておき、若きC・イーストウッドのカッコよさである。
ヤクザ連中を怒らせる序盤の台詞からして良いです。
「お前に撃たれた俺のロバが怒ってるぜ……
俺が口添えしてやるから、今の内にロバに謝っとけよ」
みたいな。
な、なんて憎たらしい……。
あのしかめっ面でニヤリと笑いながら、ニクい台詞のオンパレードである。
他にも、シーンをぐっと盛り上げるE・モリコーネのスコア、
赤と黒が強烈に映えるオープニング、
これぞ西部劇!と手を叩きたくなるダイナミックな画の数々、
どこを切り取ってもクール!
もうクールの中のクールである。
ところで『用心棒』で印象的だったのは、
刀vs銃という、どう見たって主人公側が圧倒的に不利な図式。
それが短銃vsライフルという図式に変わって果たして盛り上がるか?
という疑念が僕にはあった。
だがこれが盛り上がるんだ。巧いんだわ。
「どうした、よく狙えよ、心臓はここだぜ」
「弾を込め直して撃ってきな……銃がライフルに勝てないか確かめようじゃないか」
うっはー、カッケー!!!(爆)
オリジナルにあった“粋”なシーンが少なからず消えているのは残念無念。
しかし仇役がより非情で残忍に見えるシーンが多数追加されていたり、
抗争で引き裂かれた一家を序盤から登場させ、
話の流れを自然且つドラマチックにするなどの
秀逸な変更も為されている。
殺伐としつつも粋なユーモアのある『用心棒』、
ドラマチックで活劇性の強い『荒野の用心棒』、
ううむ、これは甲乙つけ難い。
だけどどちらもスーパークールな映画なのは間違い無いぞ!
……て、公開から50年近くも経った映画の比較レビューって一体……。
<2011/8/20鑑賞>
全43件中、41~43件目を表示