劇場公開日 1961年5月3日

「ガンマンは後悔をしないのだ!」荒野の七人 Garuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ガンマンは後悔をしないのだ!

2021年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 七人の凄腕ガンマンが、野盗軍団と戦う物語。

 黒沢のリメイク物ではあるが、 作品のオリジナリティの高さと完成度からして、もはや別物だ。 この映画の制作に関わった人たちが、七人の侍から受けた衝撃の大きさとリスペクトが感じられる。 名作に触発されて生み出された名作、と言っていいだろう。

 大好きなセリフがある。 野党の親分が七人のガンマンに仲間にならないかと持ちかけ、 それをマックィーン扮するヴィンが断るシーンだ。  野党の 親分としては、 金にもならない仕事に命をかける七人が理解できず、 「なぜそんな仕事を引き受けるんだ?」 と怪訝な顔で聞く。それにヴィンが答える。

 「俺の友人に昔、 裸でサボテンに飛びついた男がいたんだ」

親分   「そいつは、なんでそんなバカなことをした?」

ヴィン  「おれもそう聞いたよ」

親分     「なんと言ったんだ?」

ヴィン  「そのときは、それでいいと思ったんだそうだ」

 七人のガンマンたちも、「それでいい」と思ったから、この割に合わない仕事を引き受けた、ということだ。 男の決断には、金も名誉も屁理屈も必要ない、 もちろん後悔もないのである。

 「約束だから」 も違う。 「義務だから」 も違う。 「農民たちを助けたいから」 でもない。

 「それでいいと思ったから」

これなのだ!

七人のガンマンの侠気を言葉で表すには、 この言い回ししかない。 マックィーンが言ったからなおさらだが、 見事なほどにカッコイイ台詞なのである。

 恥ずかしながら、私は実生活でこのセリフを使い倒している。 過去を悔やむような事があり、いつまでもイジイジと後悔に耽っているとき、 自分の頬を力いっぱい張ってこう言うのだ。

 「あんときは、あれでいいと思ったからああしたんだろう!」

 これによって、自分は一瞬にして「女々しい男」から、「荒野の男」へと戻ることができるのである。

 百姓よりもガンマンの方がいい。 バカでもいい。 自分のケツは自分で拭える、後悔をしない男の生きざまを貫きたいものだ。

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Garu