「少女になりきったレスリー・キャロン」恋の手ほどき たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
少女になりきったレスリー・キャロン
ある女性が、少女から大人の女性になっていく様を描いた「ミュージカル風」のヴィンセント・ミネリ監督作。
冒頭、ある歳をとっているが「粋」な雰囲気のオジサン(モーリス・シュヴァリエ)がブローニュの森で子供達などの紹介をする場面から始まる。
カラー映画なので、森の雰囲気、その後の鮮やかな色を使った映像が綺麗である。
その紹介された子供の中に、少女ジジがいる。ジジを演じているのはレスリー・キャロン。
「レスリー・キャロンって、こんなに子供っぽかったっけ?」と思うほど幼い少女。
その少女がだんだんと大人の女になっていく。
映画を観終わって確認したら、この映画公開時点でレスリー・キャロンは27歳!
よく、あんなに子供子供した少女を演じられたものだ…と感心してしまう。
「ミュージカル風」と記載したが、全編にわたってではないが「ところどころの場面で、登場人物が歌い出して、セリフが歌詞になる」映画。ただ、踊りは少ない。
変わったミュージカルである。
ちょっとだけ『マイ・フェア・レディ』っぽい場面があるが、あれほどのインパクト無し。
モーリス・シュヴァリエがお歳をめして出演していて、フランスを舞台にした映画なのでマッチしたキャスティング。
この映画で「お見事!」と思ったのは、冒頭部、「少女ジジがブローニュの森を出ていこうとする場面」が「家に帰り着いた場面」に繋がるのだが、この繋がるシーンでは共に「少女ジジがスクリーンの中央やや左上に、後姿で映されており、繋がる感じが素晴らしかったこと」である。
この編集は素晴らしい!
ただ、このシークエンス以外は全体的にあまり面白いものではなく、結末も見えてしまう感もあって、まぁまぁの作品だった気がする。
コメントする