劇場公開日 1992年10月3日

「楽しい軽さ」恋の時給は4ドル44セント 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0楽しい軽さ

2020年7月11日
PCから投稿

William Forsytheという俳優がいて、多く映画に出てくるが、脇役というより端役的なのが多い。強面で、ほぼ悪役でやってきた人である。エドワードジェームスオルモスのAmerican Me(1992)では目立っていた。ショーンコネリーのThe Rock(1996)でも多少大きい役だった。が、出演数に反してとかく端役ばかりの俳優である。
個人的にいちばん楽しいのがこの映画。やはり端役だった。ほぼ一箇所だけだが、がっつり持っていく。猛々しい面構え。小さな目、一本丸々開いたすきっ歯、団子っ鼻。舌足らずなのに饒舌。夜間の守衛で、ジムドッジに仕事のやり方を──丁寧に──説明し店舗に監禁する。What did you say? を二度言うだけで笑えた。

すっかり売れっ子女優になったジェニファーコネリーに比べてフランクホエーリーは、ずっとCareer Opportunitiesのジムドッジだった。
が、監督に回ったLike Sunday, Like Rain(2014)を見たとき、すごくいい映画ってわけではなかったけれどシンプルで優しくてほろ苦くて好感を持った。
ただ、本編はスクリプトだけとはいえ、Judd Nelsonにしても、Jean Louisa Kellyにしても、Mia Saraにしても、Alan Ruckにしても、ジョンヒューズ映画の出演者ってのは、それだけで充分ではなかろうか。
こみ入った現実の事情が楽しい飛躍によって救われるジョンヒューズの映画群を心から愛している。

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津次郎