「ぐわんぐわんする映像と、鮮烈な色彩、大音量の音楽。内容について解釈...」恋する惑星 imymayさんの映画レビュー(感想・評価)
ぐわんぐわんする映像と、鮮烈な色彩、大音量の音楽。内容について解釈...
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ぐわんぐわんする映像と、鮮烈な色彩、大音量の音楽。内容について解釈する間もなく、なんだか、直接的、感覚的に、受け取った映画だった、
だけれど、それが、心地よかった、決して表層的ではなかったから。あの時代のあの地の雰囲気が、本質が織り込まれていたとおもう。ある種の猥雑さ、無秩序さ、ダルさ、のようなもの、わたしには、まだ、しっくりくる言葉で言語化できない、
登場人物たちは、みんな、それぞれなにかをし続ける。ある男はパインの缶詰を30日間買い続け、ある女は人を殺して逃げ続ける。ある男は同じ店でサラダを買い続け、ある女は男の部屋を模様替えし続ける。執着、のようなもの。でも、その行為をやめたとき、やめざるを得なかったとき、変化が、殊に、新しい恋が訪れる。
男の部屋を、元恋人の痕跡を消すように、毎日すこしずつ模様替えしていく。自分の存在を部屋に付与していく。気づかれたくないけど、気づいて欲しい、キュートで複雑な狂気。だけど、カリフォルニアに行って、1年後に帰ってきたとき、元恋人に同化するように、CAさんになって帰ってくる、髪型まで同じようにして。だけど、フェイは元恋人とは違う。制服の方が素敵という彼女に対して、私服も素敵と言うから。たぶんフェイにとって、見た目や肩書きはどうでもよいのだとおもう、
滲んでしまった手作り航空券の行き先は、「あなたの行きたいところ」へ。なにはともあれ、乗り換え完了。新たな場所への再出発が暗示されて綴じられる。
映画が終わって帰路についても、ずっと頭の中で「California Dreamin'」が流れていた、余韻にまかせて、そのまま夜に溶けてしまいそうだった、
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