「後半がよかった」恋する惑星 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
後半がよかった
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公開当時(1994年)は斬新だったのだろうと思う。
前半の金城武ターンは眠くて眠くて。
あまり意味を感じないモノローグ(というか自分語り)に、煮え切らないくて見かけばっかりな恋愛話の構造が、『ノルウェイの森』っぽく。
オマージュといえば許されるとでも思っているのか、と文句を言いたいくらいのどこかで見たシーンのつぎはぎ。
なんかこう、今となっては少々古く、その当時は凝って「スタイリッシュ」って言われたい自己顕示欲にあふれた撮影技法にすぎないとしか思えませんでした。
ところが後半のトニー・レオンとフェイ・ウォンのターンになって、やっと面白くなりました。
好きでいることを全身で表現するフェイのかわいらしさ。
そして、1997年の香港返還を目の前にして、香港が香港でいられるのか、自由にカリフォルニアに行けるのか、などといった暗喩も込めたフェイのしぐさ。
セリフでではなく、背景と雰囲気で察しろというフィルム。
ああ、これはきっと世界中に影響を与えたんだろうな、今もこうして4Kリマスターされるほど人気があるのもわかるな、と思えました。
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