「可愛い」恋する惑星 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
可愛い
ため息が出るほど可愛い映画でした。本当にキュートな映画。
まず、主演のフェイ・ウォンがめちゃくちゃ可愛い。キョロキョロした表情が可愛いし、「わ!」とかビックリする声も可愛い。セシルカットで女性としての色気はあまり感じないけど、そのぶん子どもっぽい可愛らしさが強まっていて、特に不法侵入の時に隠れるシーンが最高でした。また、黄色のシャツが可愛いんだわ。
ここまでに可愛という文字を7回も使っていますが、可愛いんだからしょうがない。可愛いとは何か、と問われた時、「恋する惑星のフェイ・ウォン」とこれからは答えることにします。
そして、本作では恐るべきことにトニー・レオンまでもが可愛いのだ。花様年華ではあんなにストイックな男の色気を振りまいたレオン氏だが、本作では素っ頓狂で可愛い男を演じております。
闖入者フェイちゃんに白い動物のぬいぐるみからトラにすり替えられたのですが、そんなトラのぬいぐるみに対して「お前、前は白かったけど、あまり汚れるなよ、傷(トラの模様ね)までつけて…」的なセリフで話しかけたりして、まったく可愛いヤツです。
というか、あのぬいぐるみシリーズは元カノのものだと思っていましたが、もしやレオン氏の私物では?本作のレオン氏ならばそれもありえそうです。
繰り返しかかる夢のカルフォルニアもフェイちゃんが歌う夢中人も、本来好みの曲ではないけどとても良く聴こえる。ウォン・カーウァイのマジックですね。相変わらずカットはキレキレ、色味も薄く緑がかって独特の魅力があります。
一方、前半の話は肌に合いませんでした。ウォン・カーウァイ作品は主人公の魅力で引っ張る傾向があり、主人公が合わないと途端に退屈になるように思えます。金城武はパッとせず。今の方がずっといいですね。金髪のヅラの女も、顔の下半分が老けているので美しくなかった。
なので、フェイちゃんが登場した瞬間、「キター!」となりました。
ラストシーンで、カルフォルニアで1年過ごしてなぜかスッチーになったフェイちゃんは、これまでと打って変わって大人の色気プンプンで、それはそれでいい感じです。邦題もポスターも可愛いし、前半はアレでしたが後半は言うことナシの佳作でした。