「【”様々な裏切りと騙し合いと信頼。”今作は、ラストのショットガンアクションシーンも見応えがあるサム・ペキンパー監督の粋な演出が冴える悪漢映画の逸品なのである。】」ゲッタウェイ(1972) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”様々な裏切りと騙し合いと信頼。”今作は、ラストのショットガンアクションシーンも見応えがあるサム・ペキンパー監督の粋な演出が冴える悪漢映画の逸品なのである。】
■銀行強盗の罪で刑に服していたドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)は、ある日突然釈放される。彼は地方政界の実力者・ベニヨンと取引し、町の銀行を襲撃し奪った金を山分けして保釈金代わりに払おうとしていた。やがて銀行襲撃の緻密な計画を立て、作戦は決行されるが、ベニヨンには企みが有った。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作後、スティーヴ・マックィーンの奥さんになったアリ・マッグロー演じるキャロル・マッコイとダグ夫婦の関係性の描き方が面白い。
・キャロルは、ベニヨンと組みながらもドクを撃たずに、銃口をベニヨンに向け撃ち殺すシーンと、ベニヨンが雇ったルディ(アル・レッティエリ)に妻を寝取られ、こき使われ、最後は首を括る男との対比が、何だか申し訳ないがコミカルである。
■スティーヴ・マックィーンは、ヤッパリ格好良い。悪漢を演じても格好良い。市民や警官は殺さずに、深手を負ったルディから逃げる際の、数々の機転が利く男を渋く演じている。
新聞にデカデカと指名手配の顔写真が出ている中、豪胆にもキャロルと、大金を持って只管メキシコを目指す姿も大変宜しい。
<ラストの、エルパソのホテルでのルディ達との、ダグが激しくショットガンを炸裂させる撃ち合いのシーンも見応え充分である。
そして、町の修理屋の親父のトラックで逃亡するシーンも粋である。
親父は車中で”最近は男女の仲が乱れてイカン”と呟き乍ら、トラックを運転する。
そして、国境が近くなったところでドクは車を降り、親父に”去年は幾ら儲けた?”と聞き、”5000”と答える親父に2万を渡そうとすると、キャロルは”3万”を渡すのである。
そして、ドクとキャロルは大金を持ってメキシコに向かうのである。
今作は、サム・ペキンパー監督の粋な演出が冴える悪漢映画なのである。>