「どこかでみたような」ゲッタウェイ(1972) よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
どこかでみたような
銀行強盗とその女の逃走劇。
だが、この映画の主題は、操を犠牲にして夫を助けた妻を赦すことができるのか。そのとき男の誇りはどうなるか。というもの。
どこかで観たような立つ瀬のない男の話だと思ったら、小津安二郎の「風の中の牝鶏」と同じ主題である。佐野周二の立場をスティーブ・マックイーンが演じる。男の側の心情の変化も大きくは同じで、妻の不貞を知ったときは怒りを抑えきれないし、その後もことあるごとに妻の行為を裏切りと非難する。そして、そんな女に助けられている自分が一番腹立たしいのである。
妻役のアリ・マッグローは、映画で観るのは初めてなのだが、終始どこかで見たことがあるような気がしていた。鑑賞後彼女のフィルモグラフィーを調べて納得。昔、家にあった「ある愛の詩」のサントラLPのジャケットに彼女が描かれていたのだった。
フランシス・レイの音楽も有名なそっちの作品も観てみよう。
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