「無法者の生き方の描き方がよかったが、最後の演出が駄目」群盗荒野を裂く Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
無法者の生き方の描き方がよかったが、最後の演出が駄目
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総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
途中までは良かった。正体不明だが怪しい行動をとる謎のアメリカ人のビルがいて、盗賊の首領のメキシコ人のチュンチョがいる。政情不安のメキシコを舞台にして、そこで金を求めると同時に、貧乏人の生活を知って国家のあり方にちょっとした理想をもつ盗賊の生き様の描き方と演技がなかなかに面白い。なんのかんのいってもまともな教育もなく戦略も描けないチュンチョは、結局自分はみんなのために何かをしたいのかそれとも自分のために何をしたいのかわかっていない。彼が行き当たりばったりで適当な行動をとっていくうちに物語は大きな展開を迎える。西部劇だが大きな陰謀があったり悪者とされる人々の生き方や価値観があったりするのがいい。
だが最後の場面が気に入らない。いきなりチュンチョが「好きだが殺さなければならない」みたいなことを言って、ビルはなぜ逃げもしないし抵抗もしないのか。仮にも彼は職業的殺し屋なのだから、こんなにのんびりと「なぜ殺すのか」などと理由を相手に問いただす質問を馬鹿みたいに繰り返している場合じゃないだろう。この最後の演出が白けてしまった。それがなければもっと楽しめたのに惜しい。
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