劇場公開日 1951年3月1日

「せっかくのデボラ・カーの美貌も、作品自体が凡庸では…」黒水仙(1946) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0せっかくのデボラ・カーの美貌も、作品自体が凡庸では…

2022年8月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

たまたまフレッド・ジンネマン監督作品を
まとめて観ていて、
オードリー・ヘップバーン主演の
「尼僧物語」を鑑賞、
また、やはりジンネマン監督の
「地上より永遠に」のデボラ・カーに
誘導され、この尼僧物を初鑑賞した。

しかし、映画としては凡庸な感じだった。

前半は何を描こうとしているのか
分からないまま話したが進んだが、
後半になってようやく“修道女”としての
愛欲への誘惑、
診療奉仕の限界の悩み、
そして赴任社会との距離感と孤独、
等々がテーマになっているように感じたが…

新しい土地での布教の話としては、
「沈黙」や「ミッション」を思い出す。
それぞれ神父の異文化世界での
命懸けの布教の中での
己との葛藤に心打たれたものだが、
もちろん描く観点も違うし、
請われて布教に行く行かないの
状況も異なるものの、
この作品では命懸けではない分、
私の心にも
響くものが不足したように思う。

余り評価出来なかった「尼僧物語」
の中での、ヘップバーンの
信仰・診療と俗世間との狭間で
揺れ動く心理葛藤描写にも達しなかった
イメージだった。

KENZO一級建築士事務所