クレイマー、クレイマーのレビュー・感想・評価
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展開が早いのに時間がゆっくり流れる映画
友人推薦
●オヤジ目線で見ると切ない。
あの目配せをもう一度。
冷静なときに観れば、きっといい作品
さて。
さてさて。
子供が生まれて早2年8ヶ月。そりゃあ色々ありますからね。
いっそ子供を置いて出て行きたいと思ったことは私にもあるさ。
一人で「自分自身を取り戻す」冒険を始めたいと思ったことも幾度となくあるさ。
でも結局離れない。
たとえ離れるという選択肢が目の前にあっても、拒絶する。
その差は一体、何なんだろうな。
きっとジョアンナは、そう長くはかからずに「自分自身」は取り戻せるだろう、取り戻して生活が落ち着いてから親権を主張しても、母親である自分に分があるだろう、と思っていたんじゃないかな。心のどこかで、許されるという確信に近い感覚を持っていた。
だって、ストレスや不満が爆発しそうになって勢いで飛び出てしまった、というようには見えなかった。息子に別れを告げて涙していたし、帰ってきた夫にも別れを宣言して日常の細々した指示を出してから出て行った。感情的になって咄嗟に、ではなかった。
戻ってきて笑顔で親権を主張したジョアンナを、都合いいなぁ、何を今更、と白けた目で見ていた私だった。彼女にも言い分は当然あるのだろうけど、勝手に去っておいて勝手すぎやしないか。
逃げ出した方が負ける。法的に、一時的には勝てたとしても、最終的には逃げ出さなかった方が勝つ。現に息子の気持ちは、18ヶ月の間に母親から離れてしまった。息子の母親であることより、自分自身の人生を優先させてしまった18ヶ月間。それはそれで間違っていない。母親だって人間だから、逃げ出すことも時には必要。でもその代償はいつか必ず払うことになる。窮屈だし、悔しいけど、それが子供を作ったことの責任。
こういうメッセージ、冷静なときは素直に受け取れる。
我慢してるのは母親ばっかりじゃないからな、と素直に思える。
いつも冷静で居たいっす。
フレンチトーストとマンドリン
愛にあふれた親権争い
アメリカの裁判事件は、原告VS.被告という書かれ方がされる。
というわけで、クレイマーさん(元妻)VS.クレイマーさん(元夫)の
親権争いを描いた作品。
この映画の素晴らしいところ。
1つ目、親権争いを、一方的ではなく両方の立場からしっかり描いている。
2つ目、妻も夫もお互いを尊重している。
親権争いにありがちな貶しあいではない。
相手を下げるのではなく、自分を上げて親権を獲得しようとする。
3つ目、深い愛情で溢れている。
妻も夫も親権の獲得を第一に考えていない。
子のためなら親権を放棄してかまわないという意志で臨んでいる。
ヨリが戻っても戻らなくても、この親なら子は健やかに育つに違いない。
しわ寄せが可愛い我が子にいく離婚
裁判で互いに非を認める元夫婦。
夫は良き父に変化を遂げ、どちらも養育に不適とは言えない。それは子供が1番わかっているはずで、子供にはどちらの親も欠かせないのに、裁判は大人の間で行われており、家庭が親の事情で壊れてしまう事がとても切ない。しわ寄せが無垢な子供にいくのがもどかしい。そもそも、裁判を介してしか両親が話し合いをできていない。母親は父親の変化も遠巻きに数回見るだけでしかわかっていないだろう。会話不足だと感じた。
子供が7歳という絶妙な設定で、環境が大人にさせている部分もあるものの、18ヶ月の間にママ命のbabyから、父親とチームを築けるboyに変化していく。子供が時に父を、時に母を頼る事はこれから何度となくあるだろう。両親2人でその成長を見守っていけたら良いのに。最後のエレベーターで「おかしくない?」「素敵だよ」のシーンが、夫婦が初期に戻ったように素直に接しあえていて、よりが戻るかも?と一筋の希望を持てて良かった。
フレンチトースト失敗→子供が皿を用意し、買ってきたコーヒーとドーナツ→2人で手作りのフレンチトーストという朝食の変化が、父子の距離をうまく写し出していた。
クレイマークレイマー
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