「周りと違うことへのトラウマ」グリンチ(2000) Ken@さんの映画レビュー(感想・評価)
周りと違うことへのトラウマ
U-NEXTで久々に鑑賞。
ドクター・スースはオーストラリアに住んでいた頃にたくさん読んでいたので、すごく馴染みがありました。ただグリンチは「THE CAT IN THE HAT」と比べるとあまり知らなかったですが、本作は優しさがこめられたエモーショナルな話になっていました。
原作特有のカラフルな世界が実写で再現されていることに感動し、奇妙な形をした家や機械を眺めているだけでもワクワクしました。それに対比するように、グリンチの家はゴミだらけの汚くて暗い雰囲気も独特でした。
主演のジムキャリーは、マスクさながらの顔芸やテキパキに動く所がコメディのいい味を出していて最高でした。また、挿入歌の ”You’re a Mean One, Mr. Grinch”も、記憶に残るぐらい印象的な楽曲でした。
私は2018年に公開されたアニメ版も観ていますが、ギャグ路線の前者とは違ったテイストになっていたのも興味深かったです。ここでは、グリンチがクリスマスを嫌いになった過程が明確に描かれており、幼少期は学校でいじめを受けたことでトラウマになってしまいます。自身も周りと違うことが多いことに悩んだ経験があったので、そんな彼を見て辛くなったと同時にどこか共感してしまいました。
今でもそれぞれの個性を受け入れられず、苦しんでいる人も存在しています。そのため、この作品から様々な違いを受け入れ、一緒に楽しく過ごす時間がどれだけ大切なのかを改めて痛感しました。
日本では知名度の低い作品ですが、とても心温まる物語になっているので、気になった方はぜひクリスマスに観てください。
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