劇場公開日 1991年7月20日

「初期の怪作とは違ったウォーターズ監督の妙味が炸裂!」クライ・ベイビー ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0初期の怪作とは違ったウォーターズ監督の妙味が炸裂!

2020年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ご存知、ボルティモアの怪人ことジョン・ウォーターズ監督が放つミュージカル・コメディにして、ジョニー・デップがその存在感を華々しくスクリーンに刻んだ名作でもある。ウォーターズといえば当初は「ピンク・フラミンゴ」などの怪作で知られていたが、どうやら「ヘアスプレー」の成功でハリウッド・スタジオの見方も大きく変わり、本作の企画も割とすんなりと通ったようだ。こう書くと、振り切れた作風が軟弱なものに落ち着いてしまったかのごとく聞こえるかもしれないが、決してそうではない。彼はスタジオとの契約を守りつつも、その中で可能な限り自分の持ち味を炸裂させている。その奮闘がすこぶる楽しく、頼もしい。何よりもジョニー・デップのハマり方は何だろうか。数々の監督たちが彼の才能や存在感に惚れ込んだ理由がわかる。一方、思いがけないところでワンシーンだけウィレム・デフォーも登場。これまた強烈な彼らしさがいっぱいで、たまらない。

コメントする
牛津厚信