「羽根をつけて、ワインの葡萄たちを守る」雲の中で散歩 たばさばさ。さんの映画レビュー(感想・評価)
羽根をつけて、ワインの葡萄たちを守る
「1日だけでいい」
生活の為にワインに命がけに暮らしつとめてきた葡萄園との縁。
戦争から帰宅したが女は彼の手紙を読んでなかった。
普通の幸せを求めて帰ってきたのに、求めてたものはそこになかった。
「チョコレートを売って」
女はそういって彼に働くようにいった。
戦争から戻ってきた家にはぬくもりは肌のぬくもりだけ。
家庭らしいものはなく「どうしてここに求めよう」と見ていた。
戦争から戻ってきた彼は、悪夢にうなされていた。
彼だけでなく戦争に行って沢山の命を潰すだけの争いで
戦争前と同じ心理で帰宅する者はないと思う。
うなされなくても、人の命を軽視する壊れた人もいただろう。
悪夢に一人でうなされ、求める物はここにない‥。
単に流されるまま、ハプニングに会いながら出会った女。
身ごもって男に捨てられた女。
彼は、どうにでもなれと思ったのか、それとも求めてる家庭を
何でもいいから手にしたいと目の前にあった世界しか見れてないのか。
女はお礼を言わないし、自分の都合で男を待ったりして
そこはちょっと嫌なタイプの女だったのだけど父親や背景を
考えると、そのくらいの性格であっていいのかもと思ったり‥。
身ごもった女と偽装結婚をして実家に戻るが雲行き怪しい。
歓迎されていない身の上に、明日出てゆくことに決めたが
だけど、またハプニングに流される。
「霜がくる」と合図が夜中鳴らされ、葡萄園で働く
家族総出で寝巻きのまま大きな手作りの羽根をつけて
タイマツの火の熱を優しく送る作業を列になってしてるシーンは
素晴らしかった、印象的だった。
その翌日から変わった。
「1日だけでいい」
早朝出てゆく所に、おじいちゃまが‥。
キーマンは、おじいちゃまですね。
おじいちゃまが、キアヌが売ろうとしてたチョコレートに
物凄く幸せそうな笑顔でほころんでゆく様がかわいかった。
気持ちの変化を一緒に感じられるシーンが多かった。
身ごもった女の家族の変化も楽しめた。
人は素直に転がるべき時は転がらねばですね。
キアヌの初ラブロマンス映画という呼込みで見てしまった(^-^)>