劇場公開日 1986年7月26日

「ヘクトール・バベンコの傑作」蜘蛛女のキス たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ヘクトール・バベンコの傑作

2023年9月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

購入しておいた2枚組DVD(HDリマスター版)を鑑賞🎥
やっぱり、この映画は凄い‼️

ファシズム台頭する南米某国におけるテロリストとホモの物語であるが、最初は他人だった2人の男が友情を芽生えさせていく姿を、ホモが語る映画描写と並行して描いており、単調になりそうなドラマを見事に描き切ったヘクトール・バベンコの傑作‼️✨

この映画を深く知るには、DVD(2枚目)の特典映像「メイキング」が良い。約1時間50分にわたって関係者のインタビュー、当時の映像などがふんだんに盛り込まれて、「アメリカ映画において、メジャー系でない独立系映画が世界で評価された最初の芸術映画であること」が良く分かる。
原作者からは映画化の承諾がもらえず、当初はバート・ランカスターがホモ役を演じる気まんまんで準備されていたこと、そして様々な制約のもとで映画製作が動き出し……という苦労話を見ると「奇跡的に生まれた映画なんだなぁ~」と思う。そして、映画のエンドロールに「THANKS(謝意)」の一人にバート・ランカスターが記されていたのも「なるほど!」と思う。
そして、カンヌ映画祭から一部削除を条件に出品したところ、ウィリアム・ハートがカンヌ映画祭主演男優賞を獲得。当時のカンヌではアメリカ映画は敬遠されがちだった事情もあったが快挙だったことも分かる。
そして、アメリカでの単館公開⇒拡大公開、ゴールデングロブ賞での受賞、アカデミー賞ノミネート&受賞など認められていく映画となった。1985年のアカデミー賞には黒澤明監督も会場にいたことが映されて、懐かしく思う🤗

本作は、ある種のミステリー映画っぽくもあるので、物語詳細は記載しないが、やはり傑作‼️✨

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たいちぃ