劇場公開日 1989年10月28日

「意外と身につまされる」偶然の旅行者 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0意外と身につまされる

2019年10月3日
Androidアプリから投稿

多分、アイルランド系と思われる
(緑のジャケット、ジャガイモ、質実剛健、文筆の才、風変わり……方向音痴?)
兄弟(妹)の暮らし振りが 面白い
あまり他人とは関わらない人々である

そして、その中の一人である主人公メイコン(ハート)が 「アクシデンタルツーリスト」というガイド本を執筆している!

彼が 我が子を失い、夫婦関係もギクシャクし、離婚の危機に陥り(不測の事態)
ミリュエルという女性と出会ってしまう(想定外)

この時の 別々に悲しみに沈んでゆく夫婦の姿や
他の女性に癒されてしまう主人公が 切ない
優柔不断だが 妻と女性の選択に悩むところも
じんわりと理解
慣れ親しんだ環境への愛着が強い人々が
多いことも
(旅人なんてなりたくないのね)

アメリカのガレージセールの服から
フランスのフリーマーケットのに着替えた
ミリュエル(デービス)が美しい
彼女は 旅人なのか

妹の家庭が、兄弟の生活に 吸収合併されてしまうのもおかしいが、妻サラが この枠組みから外れてゆきそうなのは、気の毒にも思える
(中高年になると… )

大人の話で 地味だが、重苦しい前半を 犬の活躍が、後半は子供の愛らしさが 画面を明るくする
人生を「旅」に上手く重ねた作品

謎のお兄ちゃん達の暮らし振りが 気になります…

jarinkochie