金曜日の別荘で

劇場公開日:

解説

アルベルト・モラヴィアが、彼と彼の最初の妻エルサ・モランテ、そしてルキノ・ヴィスコンティの3人の関係をモデルに書いたと言われる、同名小説の映画化。監督は、「薔薇の貴婦人」のマウロ・ボロニーニ、製作はガリアーノ・ユーソ、脚本はセルジオ・バッジーニ、撮影は「太陽は夜も輝く」のジュゼッペ・ランチ、音楽は「バクジー」のエンニオ・モリコーネ、ジョアナ・パクラとジュリアン・サンズの衣裳をジョルジョ・アルマーニが担当。

1991年製作/イタリア
原題または英題:Husbands and Lovers
配給:デラ・コーポレーション
劇場公開日:1992年8月1日

ストーリー

映画脚本家ステファノ(ジュリアン・サンズ)と美しい妻のアリーナ(ジョアナ・パクラ)は人も羨む理想の夫婦に見えた。だが、ステファノの賛美にも似たアリーナへの愛情表現は、肉体的にも激しい愛を求めるアリーナには物足りなかった。そんな欲望を満たしてくれるのは、裕福なピアニストである愛人パオロ(チェッキー・カリョ)。アリーナは、週のうち5日を夫と過ごし、週末を愛人と過ごしたいと申し出、ステファノはそれを受け入れる。金曜の夜毎に、念入りに化粧をし真紅のドレスで愛人の壮麗な別荘へと出かけてゆくアリーナ。肉体関係のみならず、心の繋がりを持ち始めたのではないかという疑いがステファノを苦しめた。パオロは暴力をふるうようになりアリーナをレイプするが、その快楽こそアリーナが求めていたものだった。ステファノは「そんなものはサドとマゾだ」と分析してみせるが、彼らの関係はエスカレートするばかり。遂にステファノは銃を持ち別荘へ向かったが、引き金を引くことはできなかった。やがてアリーナは、パオロの暴力が愛の領域を壊し狂気と憎しみだけとなり、2人の関係は終わったと告げる。ステファノとアリーナは互いの傷を癒すように静かに抱き合うのだった。

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映画レビュー

4.0赤いアルマーニのドレス

2021年9月21日
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原作はモラヴィアの「金曜日の別荘」(1990年)
彼とその妻エルサ・モランテとヴィスコンティの関係をもとにしている
ということで視聴

エルサも小説が受賞(1948)したりして
経済状況が改善した頃、夫婦関係は悪化
モラヴィアが「軽蔑」を書いたのが1954年だから
背景はこの頃だろうか

海辺にあるパオロの別荘が神殿みたいだったので
実際のヴィスコンティの別荘を探してみたら
イスキア島にありました、ラ・コロンバイア

この別荘を見た時、さすがにここで週末に
ゆったりとした贅沢な時間を過ごして見たいな
と正直思いました
ヴィスコンティは様々な誘惑のカードを持っていますね

アリーナは愛の実感を求めて
エルサは文筆家としても、総てを味わい、知り尽くしたかったのでは

パクラはイタリア人好みの美女だろうか
(エルサもきつい顔をしている)
映画の半分は裸みたいだが
壊れかけた夫婦関係なのもあり
エロティックな感じは全然しない

反対に着衣の場面
ストッキングをはき赤のドレスに着替える場面に
アリーナの高揚と それを感じた夫の嫉妬による心のざわつきが…
勝負服に着替えて出かけてゆく妻は美しい

昔、写真週刊誌が全盛だった頃
ヴィスコンティ亡き後 浮浪者のような姿でさまよう
ヘルムート・バーガーを見た
あれからずっとヴィスコンティはゲイだと思っていたが バイだったのね

彼はエルサの知性や性格に惹かれたが
もしかしてその向こうのモラヴィアにも惹かれていたのでは… と
これを見ながら思ったりしました

ボロニーニ監督最後の作品で
まったりとした美しい映像で美女を脱がせてきた彼の
逆説的な目線が感じられました

イタリアの至宝と言われ
君臨していたヴィスコンティの勢い(やりたい放題)も描いていますね

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jarinkochie

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