劇場公開日 1992年8月1日

金曜日の別荘でのレビュー・感想・評価

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4.0赤いアルマーニのドレス

2021年9月21日
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原作はモラヴィアの「金曜日の別荘」(1990年)
彼とその妻エルサ・モランテとヴィスコンティの関係をもとにしている
ということで視聴

エルサも小説が受賞(1948)したりして
経済状況が改善した頃、夫婦関係は悪化
モラヴィアが「軽蔑」を書いたのが1954年だから
背景はこの頃だろうか

海辺にあるパオロの別荘が神殿みたいだったので
実際のヴィスコンティの別荘を探してみたら
イスキア島にありました、ラ・コロンバイア

この別荘を見た時、さすがにここで週末に
ゆったりとした贅沢な時間を過ごして見たいな
と正直思いました
ヴィスコンティは様々な誘惑のカードを持っていますね

アリーナは愛の実感を求めて
エルサは文筆家としても、総てを味わい、知り尽くしたかったのでは

パクラはイタリア人好みの美女だろうか
(エルサもきつい顔をしている)
映画の半分は裸みたいだが
壊れかけた夫婦関係なのもあり
エロティックな感じは全然しない

反対に着衣の場面
ストッキングをはき赤のドレスに着替える場面に
アリーナの高揚と それを感じた夫の嫉妬による心のざわつきが…
勝負服に着替えて出かけてゆく妻は美しい

昔、写真週刊誌が全盛だった頃
ヴィスコンティ亡き後 浮浪者のような姿でさまよう
ヘルムート・バーガーを見た
あれからずっとヴィスコンティはゲイだと思っていたが バイだったのね

彼はエルサの知性や性格に惹かれたが
もしかしてその向こうのモラヴィアにも惹かれていたのでは… と
これを見ながら思ったりしました

ボロニーニ監督最後の作品で
まったりとした美しい映像で美女を脱がせてきた彼の
逆説的な目線が感じられました

イタリアの至宝と言われ
君臨していたヴィスコンティの勢い(やりたい放題)も描いていますね

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jarinkochie