「生理的不快感満載の正統派アメリカンバカシネマ」キングピン ストライクへの道 jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)
生理的不快感満載の正統派アメリカンバカシネマ
「ボウリングを題材にしたアメリカ映画に駄作なし」という格言がありますが、本作もまさにそう。鑑賞中は「一体おれは何を観せられてるんだ…」と何度も心の中で呟いてしまいますが、しょうもない役柄を嬉々として演じる名優たちの姿を見ていると、やっぱり笑ってしまいます。ピザをビールで流し込みながら楽しむのが本作の正しい観賞法です。
ロイ・マンソンを演じるウディ・ハレルソン(35)。
本作では年上男に騙されるうぶで間抜けなダメ男を熱演。「悪人」顔のウディ・ハレルソンがどんどん惨めになっていく姿に哀愁を感じながら苦笑を禁じえません。最高です。女にもボコられいいとこなしです。次々と災難が降りかかり人生を転げ落ちていく男の役ですが、すべて自業自得。彼は実生活でも奇行癖で楽しませてくれます。映画の出演作も途切れることがありません。
敵役アーニー・マクラケンを演じるビル・マーレイ(46)。
本作ではうぶなロイ・マンソンをとことん陥れるずる賢い嫌な年上男の役ですが、どこか憎めないとぼけた味わいを遺憾なく発揮しています。
アーミッシュ教徒の純粋男イシュマエル役、ランディ・クエイド(46)。
表情に滲み出す「いい人」感はアーミッシュの設定にうってつけ。1971年以降、映画出演が途切れない名優です。背中のタトゥーに口からピザを吹きました。
ナイスバディのイケてる美女クラウディア役、ヴァネッサ・エンジェル(30)。
ロイ・マンソンのハゲ頭を手で撫でつけながら「立派よ…素敵だわ…」。この一言で頭の薄くなった男性観客の心を掴みます。でもリアルワールドではイマイチ出演作に恵まれないのはなぜでしょうか。
女家主役、リン・シェイ(53)。
本作で最も強烈なインパクトを残す恐怖の女家主を熱演。最悪(最高)。1975年以降映画出演が途切れない名優のようです。
こんな脳天気バカ映画がまたアメリカで量産されるようになりますように。