キャット・バルーのレビュー・感想・評価
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不世出のエンタテイナー、ナット・K・コールの遺作。
ジェーン・フォンダ、リー・マーヴィン主演のコメディ西部劇。
いきなりオープニング・ロゴのコロンビア・レディ(女神)が女ガンマンに変身して二挺拳銃で撃ちまくる。タイトル忘れたけど、同社の映画には女神の首が転がり落ちるホラーも。こういうお遊びは好き。
古典的な西部劇映画の旋律に交えて、エレキギターのポップな要素も駆使したフランク・デ・ヴォールのBGMもユニーク。
シナリオは凡庸だし、演出にも目を見張るほどのものはない。それでも退屈せずに最後まで観られたのは、大企業の横暴、見世物化した処刑に群がる群衆、女性や人種に対する偏見など、社会批判や諷刺が随所に散りばめられているから。
父を殺されたキャシーらが逃げ込んだ「壁の穴」は有名なギャング団の巣窟。1969年の『明日に向って撃て!』に先駆けてブッチ・キャシディが登場するが、もはやヨボヨボ…。
19世紀末の終わりゆく西部を舞台にしたのも、旧い価値観へのアンチテーゼなのか。
先住民に好意的なものの、ジャクソンが下僕のように白人に尽くし、偶然頭の皮(頭髪)を剥ぎ取り、興奮して奇声を発するなど、ステレオタイプな描き方なのがやや残念。
キャシー役のJ・フォンダは有名な俳優一家出身。後年、社会派作品の出演が増える。
普段こわもてやストイックなタフガイを演じることの多いリー・マーヴィンが、本作ではコメディと一人二役に挑戦。
本来、彼の役にはカーク・ダグラスが予定されていたが、本人が拒否。代わって指名されたマーヴィンには、前年世界的に大ヒットしたマカロニ・ウエスタン『荒野の用心棒』の続編からもオファーがあったが本作を優先。そちらの代役には『リバティ・バランスを射った男』(1962)でマーヴィンと共演した脇役俳優リー・ヴァン・クリーフが抜擢。放っておけば同作が役者クリーフの引退作になった筈が、『夕陽のガンマン』(1965)でのモーティマー大佐役が嵌まった彼は40歳にしてブレイク、その後マカロニ・ウエスタンの大スターに。人生の綾は不思議なものです。
一方のマーヴィンは本作を択んだ結果、オスカーはじめ複数の主演男優賞を獲得。でも、そこまでの演技かは、少々ギモン。どうしても大佐役のクリーフと比較してしまう。
ユダヤ系のコメディアン、スタッビー・ケイとともに弾き語りの進行役をつとめたのは、歌手ナタリー・コールの父としても知られるジャズマンのナット・キング・コール。
当時既に癌が悪化していたが、最後まで撮影に参加したコールは、作品公開前に他界。
人気者だった彼が命を賭けねばならないほどの作品だったか、彼でなければならない役だったかはもっと疑問。
NHK-BS4Kにて視聴。
アメリカ人の大好きな
ナット・キング・コール
コロンビアのタイトルで女神がアニメ・モーションとなり銃を放つ。そしてコミカルなカントリーミュージック(若きナット・キング・コールが歌ってる)でキャット・バルーの紹介するという、異質で面白いオープニング。「キャット・バルーは悪い女で、絞首刑にされて当たり前」という歌詞が繰り返されるが、さっぱりわからない。なぜそうなるのか?と物語に引きずり込まれるのだ。
伯父と甥の強盗コンビが故郷の家にも登場し、父を助けてもらうように頼む。雇ったガン・ファイターはキッド・シェリーン。酔えば酔うほど命中率が上がる男だ。用心棒を雇ったのもつかの間、すぐに父が殺されてしまった・・・
列車強盗、射撃訓練とリー・マーヴィンの面白さが爆発。二役をこなし、酔いどれと恐怖の鼻無し男を見事に演じ分けていた。軽快で爽快、音楽も冴えているなぁ・・・
リー・マーヴィン 怪演!
ドタバタ西部劇
ジェーン・フォンダが コメディエンヌ振りを発揮していて、可愛い
アル中の ズタボロガンマン、シェーリーン(マーヴィン)が登場してから 面白くなる
と、いうか リー・マーヴィンの怪演が 面白いのだが…
長身で 精悍で 強面のマーヴィン (軍人とかガンマンとか硬派の イメージ)に こんな演技が出来るなんて…
アカデミー主演男優賞だけでなく、
ゴールデングローブ、英国アカデミー、
ベルリン国際映画祭でも受賞
何か 男優賞あげたくなっちゃう様な 変節振り(笑)
彼の経歴(芸歴)を 考えると、この役で 最大限の評価を得てしまったことが、何だか可笑しい
人は 意外性に惹かれてしまうことが、わかる
チャーミングでした!
アイドルコメディ西部劇?
古い時代のどたばた喜劇
総合50点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
西部劇だけど戦いの場面は殆ど無くて、滑稽さを売りにした昔ながらのどたばた喜劇といったところで、古い軽い演出は特に面白いものではない。ナット・キング・コールが劇中で歌っていたり、リー・マーヴィンがアカデミー主演男優賞を獲っていたりと話題性はあるのだけれども、残念ながらそれでも良い印象は受けない。むしろ、アカデミー賞でこの程度なの?って驚いた。
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