「凄い映画だ。たくさんの人に観てもらいたい。」奇跡(1954) いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
凄い映画だ。たくさんの人に観てもらいたい。
もう、何十年前に鑑賞して衝撃を受けた。私もまだ若かった。あの時の衝撃は再来することはなかったが、凄い映画であることは間違いない。
神への信仰心を問う映画である。キリスト教徒ではないが、今年の誕生日が来れば67歳になる。同級生達も既に十人は亡くなっている。この年になれば、歯が欠けるように一人静かにこの世から退場して行くだろう。私は仏教徒だか、神は存在して欲しいと願っている。が、実際のところは死んでみないと分からないのが私の本心だ。それでは、奇跡は起きないとこの映画は言っている。神を試すことになるからだ。
この映画がなければ、ベルイマン監督の「処女の泉」は生まれなかったであろう。
気になった点が二つある。農場自宅での室内場面で、いつも時計の音がすることと屋外の風の音がなり響いていることだ。終わりの部分で、時計の音は命の進行を表していることがわかる。風の音は神を信じられなくなった現代人の心を表しているのかなと思いました。
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