劇場公開日 1999年12月25日

「「バカをバカにするつもりが、自分自身が人生のバカを見る」という、よくある含蓄を含んだ因果応報ドラマ」奇人たちの晩餐会 Fate number.9さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「バカをバカにするつもりが、自分自身が人生のバカを見る」という、よくある含蓄を含んだ因果応報ドラマ

2024年10月28日
PCから投稿

タイトルやパッケージの説明から、「ピンクフラミンゴ」並みの奇人・変人たちの凄まじい饗(狂)宴かと思い、相当に覚悟を決めて見始めたが、実際は饗宴が開かれることもなく、まるで大人しい作品だったのには、さすがにちょっと拍子抜けした。

「バカをバカにするつもりが、その行いの不道徳さゆえに、自分自身が人生のバカを見る」という、よくある含蓄を含んだ因果応報ドラマであり、笑いによって人生哲学を鮮明化させるという見せ方も分かりやすい。

そういう観点でなら別に悪い作品ではないけど、コメディとして見ると笑いの部分に斬新な要素はまったく見当たらず、この手の「バカがボケて場を混乱させる」というタイプの笑いは、それこそ欧米以上に「お笑い先進国」である日本も昔からやってきた事で、笑い慣れしている人にとってはあまりにも笑いの作り方が基本的すぎて物足りない。

「コメディを媒体に人間ドラマを際立たせる」という点では良質な作品ではあるけれど、「ボケとツッコミ」というお笑いの基本部分は前時代的でベタベタだし、フランス風味のジョークなど、日本人の感覚として受け付けない部分も多い。

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Fate number.9