劇場公開日 1995年11月3日

「リー・リンチェイの新たなる魅力?」カンフー・カルト・マスター 魔教教主 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5リー・リンチェイの新たなる魅力?

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

萌える

努力家で、生真面目で、誠実で、清廉潔白で、優しくもあり、でも悪は許さないというジェット・リー氏の私のイメージがぁ!!!!!
 リー氏の映画は『ワンスアポン・ア・タイム・イン・チャイナ』『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ』『ドラゴン・キングダム』『ウォーロード』『エクスペンダブルズ』『海洋天堂』『ドラゴンゲート』くらいしか観たことがないのだけれど。

そんなイメージを覆させられる役を、”魅力””芸の幅”と見るか、荒唐無稽なる珍品と見るか。

サモ・ハン・キンポー氏との初共演と聞き、どんな化学変化が起こるかと楽しみに鑑賞。

えっと…。

漫画の映画化とな。
しかも、最初からとか、ダイジェストではなく、構想・三部作の中の真ん中を映画化したとか。
だから、冒頭は粗筋を手短に巻き巻きで説明。
何のことやら呆気に取られる。覚えきれ~ん!!!
 要は、ドラゴンボールみたいなアイテムを巡っての攻防らしい。そこに、敵討ちも絡むのだが、そんな単純な筋ではない。主人公の成長譚でもあるが、そういうすがすがしさ?もあるが、それだけでは語り切れない。
 う~ん。アイテムを手に入れたって、それを使いこなせるかはなた次元のちがう話なんではないかい?この冒頭でも、老師に「お前はこの剣(アイテム)にふさわしくない」って取り上げられているし…。権力とか名声を欲しがるのはどの民族も一緒なのねと思いつつ、話が進む。

しかも、冒頭展開の中で主人公たる少年が”呪い”を受ける。敵対勢力からだけではなく、両親、特に母からの呪い…。母はそれを呪いとは思わず、母自身の願いや、生きる上での”金言”と思っているところが恐ろしい…。

という。とんでも設定で始まる物語。
だが、少年が、リーリンチェイが演じられる年齢になってくると…。

この映画を撮った時期、リーリンチェイ氏はアラサーティ。
だのに、ハイティーンエイジャー(思春期)から演じられる。それが、けっこう様になっていたりして…。いじめられっ子・パシリみたいな設定にも興味がそそられ…・

そんなドタバタと、ワイヤーアクションと言うより特撮か?というような展開が炸裂。
いじめられっ子のリー・リンチェ氏。潜在能力を封じ込められている設定。

突っ込みどころ満載の、怒涛の展開。
そういうのがお好きな方々にはお薦めの1本。
リー氏も演技の幅が広がっているようにも見えるのだが、怒涛の展開の中に埋もれてしまって…。

突っ込みどころが多すぎて、万人には勧められない、ある意味コアなファンのための映画。

とみいじょん