眼下の敵のレビュー・感想・評価
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戦争映画の名作
ロバートミッチャム演じる米駆逐艦艦長とクルトユンゲルス演じる独潜水艦艦長との壮絶な心理戦を描いている戦争映画の名作です。当時としてはとてもリアルに撮影されており、潜水艦内の傾きも再現されており、臨場感が伝わっている。駆逐艦内、潜水艦内と限られた空間のみでの戦争の凄まじさを伝えており、史上最大の作戦のような大規模な戦闘シーンでなくても、真の指揮官の姿、兵士の恐怖などをうまく伝えている名作だと思います。
どこを切り取っても戦争は理不尽
戦争の先にある希望とは何だろうか 戦争を始める理由は分かりやすいだろうが終わったその先の希望となるとよく分からない 映画の中でも希望があると言ってます 戦争が終われば戦った相手国の人々までも恨むことはしなくたっていい 何処かの誰かが始めて命令を受けて戦っていただけなのだから恨みで戦っていたわけではないのだ 恨みで戦うことは戦争ではないように思う この先どんな形で「戦争」というものが行われるかは分からないけど今までの歴史から考えるとまだまだ人の命を奪う事が多いのでしょうね その戦いを始める時に事の発端にかかわった人々は希望を持って戦い始めるのでしょうか たぶん前線の兵士たちが自分は何故戦うのだろうと自問し始めた時にこうでも考えなけりゃやってられない、そう信じ込もうと 最初から希望を持つなら戦争なんてやりっこないだろうに
眼下の敵とはなにか? 実はダブルミーイングになっています それは、序盤で新任艦長が老軍医に話すことです
星5つでは足らない! 7つでも8個でもまだ足らない これは星10 個の作品だ! 余りににも有名 ローマの休日のように、いろいろなジャンルの映画にはそれぞれこれを観てないとお話に成らないでしょ!という映画があります 何で観てないの?おかしいでしょ?! そう言われる映画です 潜水艦ものなら本作です いや戦争映画のベスト5にはいる超傑作なのは間違いないと思います 素晴らしい脚本と演出です 全く無駄がなく、するするとと物語が進み、気がつけばもうクライマックスです 安全深度の限界を超えて深く潜行するシーン 深度計の針がレッドゾーンに入って艦体がガタビシ言っています Uボートのベテラン艦長はそれを命じながら、不安そうに深度計を見つめます その見つめる深度計のすぐそばから、いきなり激しく漏水が噴き出す演出は、一切無駄がない惚れ惚れする見事な演出です 序盤の駆逐艦の士官室のトランプのシーンも、ただのこの艦の状況説明や新任艦長の噂話だけのシーンではないのです これから始まる駆逐艦とU ボートとの頭脳戦を予告するものでもあるのです Uボートの艦長の初登場シーンも、総統がどうしたこうしたのスローガンの看板に冷たい目を向けさせた上で、使ったタオルをわざわざ総統と書いてある部分が見えないようにしてその場から離れさせるのです それを見せてから副長との会話で、彼がどのような人物であるのかじつにスマートに簡潔に紹介してみせます このように枚挙にいとまがありません 眼下の敵 もちろん海面下の潜水艦のことです 劇中、停止した駆逐艦のコックが垂らす釣り糸に沿ってカメラは甲板の高さから喫水線まで降りて、さらに海中に進んで、奥深く海底に潜むUボートを見せるシーンはそのものズバリです しかし、実はダブルミーイングになっています 眼下の敵とはなにか? それは、序盤で新任艦長が老軍医に話すことです 悲惨と破壊に終わりはない 頭を切り落としても、またはえる蛇だ 殺す事はできない 敵は我々自身の中にあるのだ 本当の「眼下の敵」とは、戦争の現実に押し流されてヒューマニティを見失ってしまう、そのことです これがクライマックスでの彼の行動につながっていきます このテーマが本作を貫くバックボーンとして確立されているからこそ本作を名作たらしめているのだと思います 昔、横須賀でタクシーに乗った時、運転手さんからこんな話を聞きました 日本の潜水艦乗りは乗せたらすぐわかる だってディーゼルの臭いが体に染み付いているからと アメリカさんはわからないね だって原潜だからさ 本作のUボートの艦内は、そのディーゼルの臭気や、嫌になる暑さと湿度の高さを感じるリアリティがあります 1957年の作品、米国と西ドイツの合作 だからこそのリアリティなのでしょう 日本にも潜水艦映画はあります 1955年に「人間魚雷回天」が元海軍出身の松林監督が撮影しているものです それだけに日本の潜水艦映画では稀にみるリアリティがあります しかしその題材はまさにこの眼下の敵に自ら負けてしまった特攻兵器の事です 両極端のようでこの二つの作品は、どちらもこの眼下の敵に対して、一方は勝ち、一方は敗れた戦いを描いている同じ物語だったのです 戦争の余りの悲惨が改めて胸迫ります 監督のディック・パウエルは、若い頃は二枚俳優でミュージカルとかに出て、50代で監督になるまで俳優をしていた人 第7回アカデミー賞事件ではベティ・デイヴィスの為に抗議の先頭にも立った人で人望も有ったのでしょう 本作製作時は53歳 予告編に監督本人が登場するのは、そういう事で本人がでたがっていたのか、スタッフが面白がって出ろ出ろとうるさかったのかどちらかだったのでしょう 監督の才能がある人だったと思います 本作を入れて撮ったのは僅か5 作だけでした 58歳の早すぎる死でした もったいないことです
カッコよすぎ
一言「潜水艦ものに、ハズレはやっぱりなし!」。 1957年作品、生まれてませーん。 けど、潜水艦ものの先駆者というか金字塔というか。タイトルだけ知ってました。 ◎良かった点◎ ・アメリカ艦とドイツ艦、それぞれがお互いの行動を考え。 攻める時もあるけど、静かに無音のまま先行して行ったり。 全体的な音の強弱が、メリハリある。 ・「この戦い(第2次大戦)に栄誉はない、疲れた」。 もうこれ以上失いたくない、でも目の前に敵はいる。 ドイツ軍艦長は、親分肌で。アメリカ軍艦長はスマート。 どう作戦を練るのか、相手の考えを読む様=駆け引きも、かっこいい。 ・国は違えど同じ艦長。好敵手と行ったところか。 最後2つに一つの答え、そう終わるのね。 △イマイチな点△ ・米艦長が独艦長に、「英語は話せるか?」と聞く場面。 いえいえドイツ軍もなぜか作品中では英語でしたけどw。 100分あっという間でした。 simple is best! ⭐️今日のマーカーワード⭐️ 「私にはわかる。敵は待っている」
潜水艦映画
米軍艦長はUボートに対する復讐心だけで任務に就く民間出身者。一方の独軍艦長はUボートの生活と無意味な戦争に疲れ、早く終戦を願う。作戦面においてもお互いの行動に疑心暗鬼になる両者。「敵の艦長は素人ではないな・・・」って、そこまで読めるんですか。確かに両者の研ぎ澄まされた感性がぶつかり合う心理作戦の描写は見事なものです。駆逐艦の直ぐ下を潜水艦が通り過ぎるシーンは静かに進行するものの、緊張感溢れるところでした。また、後半には機雷が尽きるか、潜航を続けるタイムリミットが来るかと粘りの勝負と、丁寧な作り方にハラハラドキドキでした。これほどまでに、どちらも応援したくなる戦争映画も珍しいです。 しかし難点もありますね。敵と味方の切り替えが激しいので、時折「あれっ、どっちだっけ?」と悩んでしまうところだ。ドイツ側のクルト・ユルゲンスも英語だし、ロバート・ミッチャムの英語がぶっきらぼうなので、ドイツ語っぽく聞こえるからだ。あと、これほどまでに風変わりな作戦に部下たちがすんなり動くのか?といったところか・・・ 戦意高揚映画でもなく、反戦映画とも取れないこの作品だが、「総統もお喜びになります」という部下の言葉にムッとするユルゲンスからもわかるように、反ナチ映画と言えるのだろう。
潜水艦映画の原点
潜水艦映画・漫画の原点。 Uボート、クリムゾンタイド、沈黙の艦隊等々、 潜水艦をネタにしたコンテンツの原点がこの作品と言われている。 潜水艦ものの見所は、手に汗握る心理戦。 そして軍人同士のリスペクト。 まぁでも、この映画での一番の問いかけは、眼下の敵とは何か?というもの。 素晴らしい反戦映画です。
戦争映画というよりアクション映画
わりと純粋に駆逐艦VS潜水艦なアクション映画。 戦闘の駆け引きと、仲間や敵との絡みが見どころ。 爆雷シーンは圧巻。 全部の描写で同じレベルのクオリティだったら最高だったけど…。 古い映画なので仕方ないか。
潜水艦ものに外れ無しの始まり
総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:65点 ) 映画界にある「潜水艦ものに外れ無し」の格言の始まり的な作品。 一部の模型の船の撮影は良くはないが、古い映画なのでアメリカ海軍協力による撮影当時まだ残存していた本物の駆逐艦と本物の爆雷攻撃の映像はなかなかの迫力を出している。両軍を2人の艦長を通して描いて、艦長同士の頭脳戦にしているのも作品を面白くしている。
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