「神の道化。 その人を知っています。」神の道化師、フランチェスコ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
神の道化。 その人を知っています。
うちのすぐ近所に1人で住んでおられた牧師さんのことです。
お婆さんの牧師さんでした。
フィリピンの方でしたね。
そのお婆さん牧師さんのことを、
あとから人づてに知ったのですが、
彼女が子どものときに、
村に日本兵がやってきて
お母さんとお姉さんを連れて行き、
小学校の裏のほうに連れて行って、
校舎の裏でお母さんとお姉さんが死んでいたそうです。
いつも笑顔で優しい面持ちのお婆さん牧師さんでしたが、
日本に渡って来て、
小さな町の中で日本人と共に暮らし、
庭で野菜を育てながら、
神様のお話をして、愛し合うことと、そして許し合うことを、
下手くそな日本語で話しておられました。
道化ですよね・・
彼女のやっていることは道化。
彼女の笑顔も道化です。
お昼ごはんをお宅で頂いたこともありました。
神の道化の、あの笑顔を僕は忘れません。
浅黒いお顔に白い歯が印象的、そして水色のフチの眼鏡をかけておられました。
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本作品は、
イタリア映画1972年版「ブラザー・サン、 シスター・ムーン」とともにフランシスコ会の始まりを描いた、僕の大好きな映画です。
1209年にフランチェスコによって始められたこのカトリックの修道会。
翌1210年には、ローマ教皇庁で教皇イノケンティウス3世によって「清貧と平和」を説くこの修道会が認可され、
映画はそのローマからの帰途。その道中の彼らの姿からストーリーが始まります。
「ブラザー・サン、シスター・ムーン」の、内容的には“後編"の形になります。
初期の彼らの活動が、記録や詩に残っていた短いエピソード集として、素朴な演技で再現されています。
ボケ老人ジョバンニを家族から引き取って預り、
「施す物が何も無かったから」と一度ならず自分の僧服を貧民に渡してしまったジネプロの肩を皆で抱き、
一切の私有財産を持たず、
敵を許し、敵のために祈り、
見返りを求めずにすべてを与えたフランシスコ会の
これは創設期のお話でした。
もう一編の「ブラザー・サン、シスター・ムーン」と合わせてご覧になることをお薦めします。
2000年前の、ナザレのイエスと同じように生きてみたいと願ってそれを実行した、修道士たち、修道女たち、牧師さんたち。
すごいなーと思います。
⬛ 聖フランシスコの平和を求める祈り
神よ、
わたしをあなたの平和の道具としてお使いください。
憎しみのあるところに愛を、
いさかいのあるところにゆるしを、
分裂のあるところに一致を、
疑惑のあるところに信仰を、
誤っているところに真理を、
絶望のあるところに希望を、
闇に光を、
悲しみのあるところに喜びをもたらすものとしてください。
慰められるよりは慰めることを、
理解されるよりは理解することを、
愛されるよりは愛することを、わたしが求めますように。
わたしたちは、与えるから受け、ゆるすからゆるされ、
自分を捨てて死に、
永遠のいのちをいただくのですから。
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