「人生の浮き沈み」カビリアの夜 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の浮き沈み
大富豪のラッツォという客と夢のような一時も過ごした。娼婦に限らず、浮き沈みの激しい人生を歩む人間にとって、幸せと不幸の繰り返しなんてのはどこでも見られる。そんな彼女は飲み屋の見世物で催眠術をかけられた。舞台の上で恥ずかしながらも色々と暴露させられるが、オスカーという青年と出会って恋をする寸劇を演じさせられた。それを見た同じ名のオスカー・ドノフリオという実業家が彼女に運命的なものを感じ、2人はデートを重ねる。
カビリアの過去はともかく、かなりの年増に見えるし、本当に純粋な心だけを感じ取ったオスカー。ノースリーブのセーラー服を着たカビリアにプロポーズをするところなんて感動的。しかし、あまりにも急展開されすぎの至福の時。絶対にハッピーエンドにはならないぞ!とじわりじわりと予感させる進み方がすごい。
結局は冒頭と同じことを繰り返しているんだと気づき、湖畔の綺麗な夕陽を眺めながら「殺して」と泣き叫ぶカビリアの姿。プロポーズシーンの感動から一転して悲しみの涙が流れてくる。ちょっとだけ未来に向けて希望も感じるエンディングも素晴らしい。
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