ガタカのレビュー・感想・評価
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夢みることを勇気づけてくれる
未来(?)の話だったかな。少し前に見たので記憶がうろだけども。
妊娠は人工受精がポプュラーの世の中で、胎児の内から知力や体力やらが分かってしまう。優秀な子を生まれさせ育てて、そうでない子は生まない。優秀な人間だけが生きているような世界のお話。その中で、性交渉による自然妊娠で生まれた人間が本作の主人公。生まれた時に30代?40代?が寿命だと分かっていた。
そんな短命?なんで?と切なくなったけど、そういう方も実際にいるし、そこは置いときます。
主人公は宇宙飛行士になる、という夢を持っているのだけど、資質を持ち合わせていなかった。そこで、闇の取引みたいな商人さんのツテで、生きることをリタイアしてしかし死ねずにいた優秀な遺伝子を持つ人間と成り代わる契約をする。主人公は名前はもちろん、血液や尿、身体的能力や体力などのデータを借りて、優秀な遺伝子を持つ人間に成り済ました。二人の人間がいなくなり、新しいひとりの人間が宇宙飛行士になるために生き始める。そして、なんやかんやあって主人公は、宇宙飛行士となり宇宙に出てEND。その後どうなったかは描かれていません。
そこまでしてなぜ宇宙に出たいのか、宇宙に出たところで体は耐えることができるのか。
心配はあるけれど、どうなったかは重要ではなくて、
不完全なわたしたちが、誇りを持って、夢を持ち生きていくことを応援する、というメッセージを感じました。
無機質なイメージで寂しくもありちょっと怖いけど、静かでいながらとても熱い映画です。すごいです。すごかった…。
It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves. オシャレ映画の皮を被ったど根性映画だこれっ!!
遺伝子工学が発達した近未来を舞台に、宇宙開発企業「ガタカ」で発生した殺人事件と、それに翻弄される“不適正者“の青年ヴィンセントの運命が描かれるSFサスペンス。
監督/脚本は名匠アンドリュー・ニコル。本作は彼のデビュー作である。
自然妊娠で生まれ、“不適正者“と蔑まれながらも宇宙飛行士を目指す青年ヴィンセント・フリーマンを演じるのは『いまを生きる』『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』のイーサン・ホーク。
ヴィンセントの同僚、アイリーン・カッシーニを演じるのは『パルプ・フィクション』『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』の、名優ユマ・サーマン。
ヴィンセントがなりすます元水泳選手の“適性者“、ジェローム・ユージーン・モローを演じるのは、当時は舞台俳優として活躍していた、名優ジュード・ロウ。
1996年7月、クローン羊のドリーが誕生したというニュースが世界を震撼させた。「生命の複製」という神の御業とも言える領域にまで到達した遺伝子工学を技術革新だと受け入れる者もいれば、倫理観を欠いた所業だと非難する者もおり、その議論は現在でも止むことはない。
ドリーの衝撃から1年後に公開された本作。遺伝子操作について最も注目が集まっていた時期なだけに、当時はさぞセンセーショナルに受け止められたのではないだろうか。
物語の舞台となる宇宙開発企業「ガタカ(Gattaca)」。この社名はDNAを構成する4つの塩基「グアニン(G)「アデニン(A)」「チミン(T)」」「シトシン(C)」に由来している。
『ガタカ』なんてタイトルを聞くと、『アメリ』(2001)みたいなシャレオツなヨーロッパ映画か何かかと勘違いしてしまう。実際、ポーランド出身の撮影監督、スワヴォミール・イジャックとオランダ出身の美術デザイナー、ヤン・ロールフスの作り出す映像美は非常に洗練されており、ハリウッド製のSF映画というよりはむしろ欧州のアート映画にその手触りは近い。
その2人に合わせ、ティム・バートンとの仕事で知られる衣装デザイナー、コリーン・アトウッドが手がけるシックなファッションがこの映画の印象を決定づける。近未来的かつ60年代的、無機質かつ退廃的な雰囲気のルック。衣服、建築物、車など、全てに行き届いたその洒脱さが本作最大の魅力であり、ただ映像をダラダラと眺めているだけでも不思議な幸福感を与えてくれる。
遺伝子工学の発展により先鋭化される優生学的思想という題材は、イーロン・マスクやピーター・ティールといった加速主義者が権勢を振るう現代社会においては、もはや絵空事とは言い切れない。数年後には現実になっていてもおかしくはない、この生々しいリアリティには背筋が凍るような思いがした。時代を先取りするその先見性はさすがアンドリュー・ニコルといったところか。この堂々たる映画が彼のデビュー作だというのだから驚かされる。この男、やはり出来る。
遺伝子を扱った難しそうなテーマに加え、バキバキにクールな映像。一見高尚すぎて取っ付きにくい作品のようにも思われるが、その内容は清々しいまでに人間くさい。強固な意志と妥協なき努力があれば全ての壁を乗り越えられるという、昭和スポ根漫画も真っ青な見事なまでのど根性映画である。
とにかく「根性根性ど根性」が心情の作品なので、突然遠泳バトルが始まったりする。ど近眼なのに裸眼で道路を渡ったりする。オシャレな面をしておきながら過剰なまでの頑張りシーンが続々と出てくるのでつい吹き出してしまった。こういうところが結構可愛いんですよねこの映画は。
こういうど根性映画は大好物!人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!!…まぁ正直、殺人事件の顛末のテキトーさとか、心臓病の伏線をガン無視しちゃったとことか、なんで心臓に欠点を持つアイリーンがガタカに入社出来たのかとか、波打ち際をバックに行われるベッドシーンのダサさとか、気になるところは多いのだが、そこもまたこの映画のチャーミングなところだと思う。こんだけヴィンセントが頑張ってんだから、細かいところには目をつぶってあげましょう!
ただ一つ気になるのはユージーンの最期。彼を自殺させる必要は本当にあったのだろうか?
終盤、不随になった下半身を引きづりながら懸命に螺旋階段を登るユージーン。この螺旋階段はDNAの比喩に他ならない訳で、ここは人間は遺伝子の優劣とは関係なく、自分の頑張りによって底辺から這い上がる事が出来るという事を端的に描いた名シーンである。
そんな自分の運命に打ち克った彼が、何故自死という最後を選んだのか、そこがわからない。根性根性ど根性の映画なのだから、ユージーンにも人生を諦める事なく愚直に生き抜いて欲しかった。ここがこの映画唯一の不満ポイントである。…てか、そもそもこのくらい遺伝子工学が進んでいるのであれば半身不随くらい治療出来そうなものだけれど…なんて言うのは野暮だよね。
有名な賞を取った訳でも、ヒットした訳でもないのに未だに存在感を放ち続ける本作。こういうのをカルト映画というのだろう。確かに、何度も観返したくなる不思議な魅力を持った作品である。うーん、好きだなぁこの映画…。
余談だが、本作の共演を機にイーサン・ホークとユマ・サーマンは結婚っ!🎉…まぁ離婚しちゃうんだけど。
2人の娘であるマヤ・ホークは『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(2019-)や『インサイド・ヘッド2』(2024)などに出演しており、着実に次世代スターへの階段を駆け上がっている。彼女を見ていると、やはり遺伝子というのは軽視出来ないなぁ…とこの映画のメッセージとは真逆の事を考えてしまうのであった。
イーロン・マスクの遺伝子
本作を鑑賞してある記事を思い出しました。海外ではイーロン・マスクの父親の遺伝子をお金を払ってでも欲しがる女性が多数いるという記事です。韓国アイドルや大谷翔平の遺伝子も大金を払っても欲しがる人が多そうです。
今はお金があれば優秀な遺伝子を買うこともできるし、優秀な遺伝子同士が子供を作る時代です。所謂、資本主義的に劣等と言われる遺伝子は淘汰されていくのでしょうか。今は《子供は授かりもの》という考えから、《優秀な遺伝子の子供を作るもの》といえ考えに変わってきているので、現代の価値観を示唆しているような作品でした。
しかし、適正な遺伝子で生まれてきてもジェロームの様にアクシデントがゼロとは限りません。また、ビンセントの様に自然出産の不適正な遺伝子でも宇宙飛行士になれないとも限りません。仮に適正者だけの世の中になったとしたら生命を尊ぶこと自体ナンセンスになるかもしれませんね。完璧な生命しか存在しないですから。
誰もが羨む輝かしい人生を送っていた人が突然自死することが少なくありませんが、ラストのジェロームもこれと同じだと思いました。テクノロジーで操作できないものがあるとすれば、人の心なのだと思います。
深い作品
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舞台は未来。人間の価値は遺伝子が決める時代になっていた。
生まれると同時に才能や寿命がわかり、死因まで推測できる。
というか生前から優秀な精子を選んで受精させられる。
主人公は両親が勢いで作った子なので、特別優れた遺伝子ではなかった。
有能ではあると思うが、30歳前後で病気にかかって死にやすい遺伝子のため、
遺伝子チェックで落とされ、念願だった宇宙飛行士にはなれなかった。
逆に弟は計画的に作られたため、全てにおいて主人公より優秀だった。
なので主人公は競泳でいつも負けていたが、高校くらいの時に勝った。
これはこの時代においてはあり得ない事なのだった。
時は流れ、主人公はある闇業者の仲介である男(以後相棒と呼ぶ)と出会う。
相棒は超優秀な遺伝子の持ち主だったが、事故で車椅子生活。
この人から髪の毛や皮膚組織、血液などを随時提供してもらい、
主人公がこの人に成りすますのだ。そして常に行われる遺伝子チェックは、
この人のものを使ってかいくぐり、見返りにこの人の生活を保証する。
主人公は抜け毛が落ちたりしないよう、常に潔癖に行動するのだった。
偽装遺伝子が最強のため、ついに念願だった土星探索の宇宙飛行士に選ばれる。
そんな中、主人公の遺伝子偽装を疑った人間が会社で殺される。
ラッキーと思ったのも束の間、偶然に主人公の眉毛が落ちていた。
で、疑われるのだが、同僚でいい関係にある女性(この人も偽装遺伝子)、
相棒らが協力してくれるおかげで、何とか凌ぐ。
そんな時に真犯人が逮捕され、事なきを得る。
しかし刑事は弟で、兄の存在に気付き、不正を暴こうとする。
が、兄ともっかい競泳したがまた負け、前回の負けが偶然ではないと悟る。
そして遺伝子が全て決めるという世界に不信感を持ったのだろう、見逃す。
最後、土星へ旅たつのを境に、相棒も旅に出る事になり、別れが来る。
人生に夢を与えてくれた、ありがとうと相棒は言った。
主人公へ一生分のサンプルを残し、達成感の中で自殺。
ところがその日、抜き打ちの遺伝子検査があり、検査官にバレた。
もう終わりかと思いきや、検査官とはある程度の人間関係があったのと、
その息子が主人公に憧れていたこともあり、見逃してくれた。
その息子も優秀でない遺伝子の持ち主だったのであった。
そして宇宙へ。ハッピーエンド。
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いやあ、なかなか面白い作品だった。
遺伝子が全てを決めるというこの時代。
しかも生前に子供の遺伝子を選択できる・・・恐ろしい。
努力の持つ価値が低いこの時代において、遺伝子の価値の低い主人公が、
努力と偽装によって夢をかなえるという話。
どんな人間でも必死で努力すれば夢が叶うというメッセージを感じる。
実際に検査官も同僚女性も、相棒も主人公の頑張りや強い思いに心打たれている。
どんな社会でも、頑張る人を応援したいという気持ちは人間固有のものだ。
それにしても本当に土星に行けるとは思わなかった。
悪いことをやってるわけなんで、勧善懲悪的な展開の多いハリウッド映画なら、
当然最後はバレてしまうのだろうと思ってたけどね。
まあ設定が未来で、社会自体がおかしな方向に進んでるんで、
そこのルールを無視するのは悪とは言い切れないって解釈なのかもな。
それにしても最後の抜き打ちチェックで引っかかる展開は強引過ぎると思った。
ナンボ最後やからって、気を抜きすぎなのでは?
それまで逐一気を張って偽装して来ただけに、何だかなあ。
VALID 〜 僕は僕だ
遺伝子操作により生まれた人間を「 適正者 」として尊ぶ近未来で、宇宙飛行士を目指す青年ヴィンセントをイーサン・ホークが熱演。
宇宙局ガタカで出逢う美しい女性アイリーンをユマ・サーマンが、或る男を通して紹介される「 適正者 」ジェロームをジュード・ロウが演じる。
イーサン・ホークと美しいユマ・サーマン。熱く見つめ合う絵になる二人。その後、結婚されていたとは ✨💍✨
スタイリッシュな映画、スリリングな展開、弟( ローレン・ディーン )との軋轢、それぞれが抱える複雑な思い、見応えがありました。
ラストが沁みる。
ー適正の世界に不適正の僕が現れないように
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕)
何を思い、どう生きるか。
過去に2、3回は観たことある気がしたが内容をほとんど覚えておらず、再度鑑賞。観始めると「やっぱり観たよな。」と思いながらも最後まで楽しめた。
生まれた直後の検査で寿命や暴力性、今後罹りうる病気など人生が予測され職業の適正が全て解る近未来。これだけでベタベタなSF映画。
だが、タイムリミットギリギリの攻防、今まで出来なかったことをする勇気、弟との再会、そして再戦。胸焼けしない程度の王道展開の応酬は、ご都合主義な場面も目につくが"王道"の波にのまれてみるのも悪くない。熱く、儚い人生を描いた傑作。
才能のある男が、生まれつき恵まれなかった男の背中に夢を見る。SFというジャンルはあくまで舞台であり、物語自体は人と人との関わり、そして夢があふれたドラマだった。
最後の検査もありきたりといえばそれまでだが、グッとくるものになっているのは演出と展開の妙か。
ラストシーンも同様に、夢を文字通り後押しするため。「もうふたりはいらないだろ?」ということか。
2時間足らずでキッチリまとめている構成も見事。
ちなみに終盤、ダンス中に警察に乗り込まれ逃走するシーンで、制止する男を主人公がどうしようもなくなり殴りつけたところは唐突すぎて笑ってしまった。その後の怒涛の展開でそれも忘れてしまったが。
不可能を超える
遺伝子で全てが管理される世界。
夢を抱いても適性がなければ叶わない。
妙にリアリティのある近未来の世界を描いた本作。
全体的にSF作品であるのにも関わらず、シックで哀愁漂った作風にとても落ち着いた。
本作はその独特な雰囲気に負けない俳優陣によってより憂いや胸に秘めた情熱が表現されていた。
特にイーサンホークとジュードロウの関係性は繊細で美しかった。
完璧な遺伝子を持っているが挫折し、下半身付随になったジェローム、彼の遺伝子を用いて自身の夢に挑み続けるビンセントの一見破綻しそうな関係が2人にしかわかり得ない信頼で成り立っていることに感動した。
終盤でのジェロームの行動はビンセントだけでなく2人の夢を叶えることができた喜び、自分に対しての劣等感や挫折を受け入れ、許せたことから生まれた行動で彼の生き様は痺れた。
自分の可能性を信じ続け、ひたすらに正の努力をすることが自分を納得させられる唯一の手段であるということをダイレクトに訴えかける作品だった。
優しい映画
手塚マンガにありそうな、大人向けの優しいSFミステリーという感じです。
はじめに一人死ぬので、そこから激しい展開になるかと思いきや、最後までまったり進むので不完全燃焼のポイントになってしまうかも。
みんなに偽装がバレないかハラハラはあるものの、途中から「あれ?もう半バレやん」というところもあり視聴者側の「バレないようにしなきゃ」という気持ちが置いてけぼりな感もあります。
個人的には宇宙へ飛び立つ前に、もう少し激しい展開があってもよかったんじゃないかなと思います。
それぞれのキャラの思惑がありながらも、荒ぶったことをやらずに全体的にどのキャラも優しい。
優しいが故に引き込ませる展開は少ない。
作品の意図としては、現代の差別の延長、近未来に起きるであろうDNA差別への警鐘でしょうか。
そういった者(主人公)へも最終的に受容する結末は意味あるものと言えるかもしれません。
しかし、それなら車椅子の彼も最後自殺の展開にしなくても良かったんじゃ…。
またさすがに90年代の作品なので、なんで車椅子の昇降機がないんじゃいとか、DNA判定する時のモニターがVHSぽいなとか色々ありますが、そこらへんの細かいディティールにイチャモンつけるのは野暮でしょう。
警察から逃れて暗がりでキスするシーンはグッと来るものがありました。あそこのシーンを撮りたかったんじゃないか、というくらい見所です。
全体を通して欲を言えばもっと振り幅を観たい作品でした。
自分の可能性を信じ抜け。
必死に叶えたい夢があるのなら、どんな逆境にでも、運命にでも、遺伝子にさえも抗える。主人公の泥臭くあがく姿に感動し、涙腺が緩んだ。
また、そうした熱量は人に伝染する。ジェロームもそう、検査を行なう博士もそうだ。人々に生きる勇気と夢を与える。
自分の可能性を信じて、全力で生き抜く。後ろを振り返らず、荒波を超えても必死で泳ぎ続ける。生まれながらのハンデを、後天的な努力で覆す。そんな主人公の姿は、どんなイケメンや金持ちよりも、かっこいい。自分もああなりたい。
最後のシーンは震える。遺伝子に抗い、可能性を信じ続けていたのは、主人公だけではなかった。検査士が最後に「早くいかないと遅れるぞ、ヴィンセント」と名前で呼びかけたシーンは、本当に感動する(字幕で出ていないのは、惜しい)。これまで偽り続けてきた自分ではなく、ありのままの「ヴィンセント」として最後宇宙に飛び立つ。この映画、名作すぎる。
※Netflixで見ましたが、所々字幕が残念でした
考えさせられる作品
生れた時からDNAで寿命や死因まで割り出され、優劣が決まってしまう近未来。前時代であれば、肌の色で差別するに等しい。
劣性判定でも、目標に向けて生きるイーサン・ホーク。クールな名演。そんな彼にはDNAブローカーが紹介した最高級遺伝子をもつジュード・ロウが付いた。彼は、イーサン・ホークの成功で自分の価値を証明したかったのかも。
出演者がみんな冷静にクールで暗くなりがちだが、ユマ・サーマンが彩る。「キル・ビル」の激しさはなかったが芯の強い適役。この映画では彼女の行く末も気になる。
主人公が本当のDNAを隠す涙ぐましい努力と節制。体毛を全部そぎ落とし燃やしてしまうオープニングがその象徴。それでも、最終的には自分のDNAで目標をクリアしようとした。ザンダー・バークレイの技師の粋な計らい(このシーンは感激)もあり目標達成。自分のDNA確率を乗り越え、本当の彼自身の鍛錬が結実した瞬間だ。
大好きな一本。
宇宙飛行士目指しつつ宇宙殆ど出てこないんですが無機質で美しい近未来的な世界観が最高のSF。そして遺伝子操作が進んだ世界で遺伝子偽装しながら生きる主人公の生き様が端々で胸に突き刺さる。
この映画を見ていると何故か泣けてくる、美しく完成された世の中にあっては自然な魅力や努力で得た実力は異物なのか…理想を完成させた世界は幾つのものを切り捨てるんだろうか。
私の中では名作の中の名作なんですが余り人に教えずに大事にしたい一本でもあります。沢山の人に見てほしい気持ちもあるけどね。
そしてこの映画でジュードロウに落とされた。今や彼もダンブルドア先生。
異色なヒューマンSF
イーサンホークが出演しているSF映画ということで、見て観たら、なんと20年以上前の映画でした。
ニュージーランド出身のアンドリュー・ニコルのデビュー作です。
1997年製作。イーサン・ホークの七三(髪)がまぶしかったです。
近未来を描いたSFなんですが、静かに地味に淡々と物語は進んでいきます。劣化遺伝子を排除して、試験管べービーが当たり前となった世の中。遺伝子の優劣で出生や人生が決まってしまうなんて…。しかし、今の時代だって、神の掟(?)を破りさえすれば、すぐにでも実現しそうな話です。
自然融合(妊娠)で生まれた、ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、最高級な遺伝子を持っておらず、寿命も30歳と短いが(でも、寿命を過ぎても生きている!)「宇宙飛行士になる」という夢を実現するため、優良DNA提供者のジェローム(ジュード・ロウ)の協力を得て、タイタン行きの宇宙船に乗り込むという話ですが、「遺伝子だけで決められる無機質な体制」を監督は強く批判したんでしょうね。人間の無限の可能性を求め続けた主人公の姿に勇気づけられました。
途中、指先からではなく、静脈から血を取って血液検査するシーンがあるのですが、ここはどうやって乗りきるのかと思ったら、「そんな方法があったのか!?」と。アナログ的な感じでした。笑
ジェロームが最後に死を選んでしまうところが切なかった。あれだけ医学が進歩した時代なんだから、交通事故による負傷も何とかなりそうなのに。「手紙を書いた。後で読んでくれ」というのが、これまた、乙女チックで哀愁が漂っておりました。
『プリデスティネーション』、『デイブレイカー』といい、異色なSFでイーサン・ホークは頑張っています。
DNA使ってください・・・
試験管ベビーが一般的となっている近未来。弱点となる遺伝子は全て排除して、いわゆるエリートばかりを育て上げる社会。画一化された顔や人の判断基準をDNAに求め、病気や寿命などが生まれたときから決まっている。安定した社会になりそうだが、個性がなくなる分、生きる上での目的や余暇の楽しみなど感じなくなりそうだ。
土星の惑星タイタンを目指す飛行計画。打ち上げ反対の上司を殺した犯人は誰なのか?という展開で、不適合者であることがバレることを恐れたビンセントが苦悩する。血液検査ばかりなので他に方法がないのかと考えてしまった。重要なのは心臓病を患い、寿命をとっくに過ぎているビンセントが夢を追い求めて実現に手が届くという一途な部分。ユマ・サーマンだって心臓病なのだから、ラストに彼女にも急展開があれば最高だったかも・・・
それでもラスト、ジュード・ロウの行動に微笑まずにはいられない。
古い映画なのに、
アップルウォッチ的な物があったりして驚きました。
また古さを感じさせない美しい映像と
あり得る世界の話だと感じさせられた。
螺旋階段を必死に登るシーンはハラハラドキドキしました。
あの警察が弟だとは途中で気づきましたが、
確信してはいなかったので、
最後に2人でまた対決出来てよかった。
やっぱりお兄ちゃんは強いんだぞ!!
遺伝子だとか、ぶっちゃけ気持ちの問題なんだぞ!
弟よ分かったか!
って簡単に言うとそんな映画です。(ちがう?)
そして医者が実は知ってましたよって所には感激しました。今までありがとう医者よ。
イーサンよきちんとお礼くらい言おうね、、とも思ったが。
でもなんで命を絶つ選択をしたのかが全然分からない。
夢を一緒にみれて、あんなに熱くなれたのに、やはり叶ってしまったから自分の存在意義が無くなったとでも考えてしまったのか。
一年後戻ってきたときに、どんなに悲しむだろう、、
ほんとうに結末が悲しい。
良作でした。
いい話だが、やっぱ納得行かない
いい話だった。
ラスト、本物ジェロームが自殺しなければ。
ヴィンセントの為にしたんだろうが、夢を貰ったならそっから這い上がれよ!って言いたくなった。そんなにあまくはないのは分かってるが、やっぱヴィンセントが努力して寿命や頭脳や体力をどうにかしたように、ジェロームにもその奇跡が欲しかった。見たかった。
宇宙に飛び立った友人の日陰になるんじゃなくて、どこか遠い地で、科学の発展してない土地で、新しくジェロームとしてやり直して欲しかった。
やっぱそこがひっかかる。
ヴィンセントは本当に凄い。彼の努力にはグッと来るものがあった。だから医者が実は気付いてたってシーンは本当に良かった。
彼女が何も聞かず合わせてくれたとこもね。ショックだったろうに。
そしてあわよくば、
最後はヴィンセントの正体が世間にばれて、やっぱおかしいよね
ってとこまでやって欲しかった。
世の中を改善するとこまで見たかった。
まぁそこまでやらなくてもヴィンセントが飛び立てたとこまでみれたのは良かったけど。
でも、夢を叶えるために失ったものが多すぎないか。
やっぱりまだ複雑な気持ちが残る。理不尽。
無機質な世界だから伝わってくるものがある
視聴:1回目おそらく
推薦:大人向け
感想:ジュード・ロウのエリート感はビンビン伝わりました。セクシーさ全開です。ユマサーマンは改めて美しいと思いました。監督の伝いたいテーマがたくさんあるにも関わらず喧嘩せずびしっとピースがハマってる映画です。特に後半の畳み掛けは素晴らしかった。重いテーマもSFの設定に乗せて映すことで伝えやすくするお手本です。一つ言うとしたらイーサン・ホークが話して髪の毛を渡しユマサーマンが風にさらわれたのと捨てるシーン。もう少しためて欲しかった。あっさりしすぎる。前フリがあるのでサラッとやりすぎかと。兄弟でまた泳ぐシーンもサラッと進んだんでまじで泳ぐの?って突っ込んでしまった。
観てよかった
この映画は知人ベストランキングに入っていたため興味を持っていた。
丁度BSで放送していたので鑑賞。
最近見かけないなーイーサンホークもジュードローも…
なーんて思っていたけれど、ユマサーマンの美しさといったら息を呑むほどでした。
さて、感想。
観てよかった。人は努力で夢を叶えられるという希望を持てる映画です。
サスペンスでもラブストーリーでもない。これはヒューマンドラマの枠に私は入るのではないかと考えます。
少しネタバレしてしまうけれど…ジュードローが遺伝子的には優っているのに自殺未遂し、最終的に自殺してしまう。
弟も優れた遺伝子で大きくなったのに、兄の努力と夢実現の強い気持ちには敵わない。
一方ヴィンセントの意志は遺伝子学を超越し、宇宙に行く夢を叶えた。
最近流行りの遺伝子キット、あれは統計でしかないと改めて感じた気がした。
自然は人の挑戦を待っていると冒頭部分の言葉が観終わるとフッと頭に浮かんだ。
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