劇場公開日 1952年9月4日

「メンタルが強い女」風と共に去りぬ vanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0メンタルが強い女

2025年5月5日
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言わずと知れた大傑作。他の方がおっしゃっているとおりスカーレットは性格に難がある女ですがわたしは彼女のような人が好きです。(恋愛対象になるという意味ではなく人として好感が持てるという意味です)
彼女が味わった苦難は

恋人が死ぬ
故郷が焼かれる
父親が死ぬ
親友が死ぬ
娘が死ぬ
男に捨てられる

などなど不幸の大バーゲンセールです。もちろんスカーレットも妹の婚約者を寝取ったり泥棒を殺害したりと綺麗事だけではあの時代を生きてはいけなかったことを身をもって証明してくれています。わたしが彼女の立場だったら娘が死んだあたりで自殺します。しかし彼女は故郷タラへの思いで何度でも立ち上がります。
ヴェルサイユの薔薇のジャンヌという登場人物がどんなに汚い手を使ってでも成り上がってやるみたいな性根の腐った女でしたが、作中では「なんとたくましい……」みたいな評価をされている通り、世の中を渡っていく生命力みたいなものと図々しさ、あるいは性格の悪さみたいなものは紙一重なのでしょう。いずれにせよ一生に一度は観るべき映画なのでおすすめです。

追記
午前10時の映画祭で再鑑賞しました。
改めて観ると割とコメディ調だなと思いました。そしてスカーレットは何度観ても性格が終わってる。あれだけアシュレーが好きで不倫騒動まで起こしておきながらレットに捨てられたら「アシュレーなんか本気で好きではなかった」と抜かす始末。しかしそのあと故郷タラへの思いで立ち上がり「Tomorrow is another day」と有名なセリフを言うところは感動です。「レットをどうやって連れ戻すかはタラに行ってから考えるわ」とか悠長なことを言ってるあたりから彼女の芯の強さが伺えます。わたしもスカーレットのように強い人間になりたいです。

van
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