「未来を切り拓くのは、強く信じる心」風と共に去りぬ greensさんの映画レビュー(感想・評価)
未来を切り拓くのは、強く信じる心
言わずと知れた名作中の名作。雑誌の映画特集では必ずというほど取り上げられ、色んな著名人が好きな映画としてあげていたように思います。ですが私、実はこれまで一度も観ないできてしまいました!
、、、というのは、映画のレビューから感じる主人公のスカーレットオハラの激しさに何となく腰が引けていたのです。自分は同性でも異性でも、お互いに少しずつ積み重ねていくのが安心できるし、心地よいタイプなもので、何となく観る気が起きませんでした(一時期、雑誌のフランス映画特集などで良く取り上げられていたベティブルーも、なんとなく好みからは外れていたかなあ)。、、、まあ、激しいのが好きな女性もいれば、そうでない女性もいるということで笑。
今回は、この大作をテレビで放映したので、初めて腰を据えて鑑賞しました。
感想は、、、やはりスカーレットは激情の女性でした笑。特に、自分に気持ちが向いていない男性(アシュレー)を、あそこまで激しく恋焦がれるというのは、なかなかの激しさです(自分には理解できない、、)
「お嫁さんにするなら、明るくて気立てが良い人」などという、日本の家族ドラマ的な女性像からは対極的な女性です笑(最近、そういうホームドラマを見ていたせいか、特に対照的に感じてしまう自分)。
日本は結婚でも家と家の結びつきを大切にしますが、西欧は日本と比べて個人が強いのかな、、、レットとスカーレットという、強い個性を持った個人と個人の感情のぶつかり合いがストーリーの中心でした。
ただし、恋愛物として見ると好みは分かれるかもしれませんが、この作品は南北戦争の時代を描いた、ただの恋愛物の枠にはまり切らないスケールの大作で、他の方々が言ってとおり、素晴らしい名作だと思います。
まずロケの規模がすごいですし、南北戦争時代に生きる人々の栄枯盛衰、時代の波にもまれ、混乱の中で生きる人々の姿などがダイナミックに表現されていました。気が強く、激しい感情を内に秘めたスカーレットは、その激しさ(と、ウルトラポジティブさ)があるからこそ、あの時代をたくましく生き抜く女性となり得たのだと感じました。
また、作品中には、光と影のコントラストが美しいショットがいくつもありました。寄り添ってランプに向かうスカーレットとメラニーから影が壁に伸びるショットも美しいですし、黒い木々の向こうに、夕影迫るジョージア州の大地が広がる景色などは、他の方もコメントされていましたが、美しい影絵を見ているようで素晴らしかったです(もしかしたら撮影セットなのかもしれませんが、フレームに収められた影絵として見て、美しい画です)。
映画レビューではしばしば、「その後、レットバトラーはスカーレットの元に戻ったのか」が話題になるところですが、これは議論が分かれるところでしょうね。
個人的には、スカーレットの「絶対にレットと巡り会える!」と信じる強さや「絶対に幸せになる!」と未来を切り拓いて行くポジティブさは学ぶべきと思いました。心や意思が未来を作る。だから一番大事!笑 ここが、この作品を観て一番自分に強く響いたところでした。
スカーレットとレットがよくいうソウルメイトのような関係なら、また巡り会えるかも、、、(^^)(でも、ソウルメイトのような強い結びつきなら、あんなにアシュレーを激しく追い求める前に、自分にとってレットがかけがえのない存在だと分かっていても良さそうな気もしますが、、、相手がどのくらい自分にとって大切な存在かは、やはり魂で感じるもののだし、、やはり自分にはスカーレットの気持ちはあまりよく分からないかな〜)
最後に字幕翻訳について。
オハラ家に一生懸命に仕えるメイド達の言葉遣い(字幕翻訳)が、「〜ですだ。」で、この語調に対しては非常に厳しいコメントもあるようですが、個人的には、愛おしく感じました(^^)