「恐ろしい風」風が吹くとき ふわりさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしい風
タイミングがなかなかあわず、やっと見ることができた。ミニシアター万歳。
原作は『スノーマン』のレイモンド・ブリッグズ。
子供の頃『さむがりやのサンタ』が大好きで、大人になって買いなおした。コマ割りのマンガ形式の絵本で、かわいい絵柄の中にもややシニカルな、大人なセリフが出てくる。
なので、この『風が吹くとき』の作風もうなずけるが、結構ボリュームがあり断念。未だに読んだことがない。
イギリスの田舎に暮らす夫婦ジムとヒルダが、戦争が始まる事を知らされ、室内シェルターを作り、有事に備え始める。そして核が落とされて…。
ヒロシマより後の時期設定。戦争を経験しているから…とややとぼけたような行動、危機感の薄い会話。平均的なイギリス人夫婦だと思うのだが、徐々に体調が悪くなり、食欲がなくなり倒れてしまい、どうすることもできない悲惨な姿となる。
日本以外で被爆者の姿を描く作品は貴重であると思うが、イギリス人はこれを見てどう感じただろう。核の恐ろしさが伝わっただろうか。
前の戦争時の、防空壕などを思い出してるシーン、楽しかったってセリフに、一瞬え?となった。
そして本作が1987年に日本で公開された事を知らなかったのだが、37年経っても未だ争いも核の脅威もなくなっていない。
声優はどうも上手いような下手なような、でもやっぱり上手いと思ったら森繁さんと加藤治子さん(共に故人)。昭和の名優の共演でした。
コメントする