「アメとムチを4:6で使い分け、じわじわ 苦しめていく気味が悪いスリラー」ガス燈 asukari-yさんの映画レビュー(感想・評価)
アメとムチを4:6で使い分け、じわじわ 苦しめていく気味が悪いスリラー
事件の黒幕が、序盤に出てくる手紙のことでしれっとわかってしまう。そしてわかってしまったために、ここから始まるグレゴリーの執拗で陰湿な辱めが非常に気持ち悪い。
アメとムチを4:6で使い分け、愛をちらつかせながらポーラを苦しめていくのが、観ていて非常にじれったい。愛が絡ませてくるために余計じれったいし、なんだかねちっこい。これがまだ黒幕がわからない状態であるならスリラーとしてシンプルにドキドキできたのかもしれないのに・・・。ただただ陰湿な追い詰め方に気持ち悪さと飽きが来てしまう。黒幕を隠しながらであったならと残念でならない。面白さがあまりない。付け加えて、サスペンス小説好きのおばさんを登場させる必要性はいったいどこに?
本作でアカデミー主演女優賞に輝いたイングリッド・バーグマン、はて、これが名演なのかは甚だ疑問が残る。観ててチープなオーラしか漂ってこない。どこが良かったのかわからない。むしろ主演男優のシャルル・ボイエガの奇妙な面立ちとパフォーマンスにこそ脚光を浴びるべきに思うんですが。
ちょっとの驚きは、美女と野獣(1991)のポット夫人役のアンジェラ・ランズベリーがメイド役でデビューしていたこと。わずかに歌うシーンがあったが、これがミュージカル映画への布石になったのかなぁと想像したら、ちょっと面白い。
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