「古き良き時代の伊達男」カサブランカ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
古き良き時代の伊達男
総合:70点
ストーリー:70
キャスト:75
演出:70
ビジュアル:60
音楽:60
「ゆうべどこに?」
「そんなに昔のこと覚えてないね」
「今夜会える?」
「そんな先のことは分からない」
YVONNE: Where were you last night?
RICK: That's so long ago, I don't remember.
YVONNE: Will I see you tonight.
RICK: I never make plans that far ahead.
「なぜカサブランカに来た?」
「水がいいと思ったんだ」
「何の水?ここは砂漠の真ん中だぞ」
「知らなかった」
Captain Renault: What in heaven’s name brought you to Casablanca?
Rick: My health. I came to Casablanca for the waters.
Captain Renault: The waters? What waters? We’re in the desert.
Rick: I was misinformed.
さらにはあの有名な
「君は何者で、今まで何をしてた人かな?」
「聞かない約束よ」
「君の瞳に乾杯!」
Rick: Who are you really? And what were you before?
What did you do, and what did you think?
Ilsa: We said no questions.
Rick: Here's looking at you, kid.
やたらと気障な科白が印象深い。ちょっとした運命の擦れ違いと行き違いとに翻弄され傷ついた男の、愛する女のための精一杯のやせ我慢とわが身を顧みない自己犠牲の行動。古き良き時代の伊達男を描いた映画だろう。
だけど言い換えれば今の良き映画ではないとも感じる。この時代ならではのかっこいい二枚目だが、今の俳優がやればくさいだけ。でもこの時代だから許される。何せ第二次大戦中に制作された映画だ。命懸けのこの時代を生きた男は格好良かった。そう思わせる昔懐かしいような映画だった。
実は英語の科白は日本語訳ほどには気障ではなかったりするのだが、わざわざこのように訳するところに伊達男への憧れが当時の日本側にもあったのかもしれない。