「キザなセリフをはく高等遊民なアメリカンの影で多くのユダヤ人が」カサブランカ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
キザなセリフをはく高等遊民なアメリカンの影で多くのユダヤ人が
さて『カサブランカ』は何回か見たが、主人公の心の変わる様が、理解できないでいる。かっこいいと思う事もあるが、本当の旦那の苦労を考えると、結果はこれで当たり前で、主人公の取った行動に賛同するだけ。
ナチスに対する強い抗議行動から、レジスタンス行為には見えない。
もっとも、42年の事だから、主人公をアメリカの姿と仮定するば、仕方ないのだろうが。
さて、飛行機は何故?リスボンなのだろうか?そう、スペインは内戦中で、親ナチスのフランコ政権だった。そして、フランスもこの映画に登場するペタン元帥率いるヴィジン政権だった。だから、フランス領モロッコにナチスが平然と幅を利かせているのである。
さて、この映画の様に簡単に亡命など出来る訳もなく、東欧出身のパルチザン若しくはレジスタンス運動をしていた疑いの有る者は、逮捕されていたであろう。42年はユダヤ人に対するホロコーストがいよいよ牙をむく。こんな高等遊民な、のんびりした酒場で『as time gose by』なんか歌っている余裕など無いのである。ナチスも連合国も。
それが表現できたのは、ハンフリー・ボガートもイングリット・バーグマンも純粋なアメリカンてはないからだと思う。ナチスドイツと同じ民族のヨーロッパ人の色が濃かったと思う。そう、イギリスとかスウェーデンとか、どちらも、アーリア系アングロ・サクソン人(?)。ラテン系ではない。ユダヤ人に対しては、ナチスドイツと同じ様な考えを持っていた可能性はある。ボガートの両親はともにキリスト教原理主義者(?)
言うまでもないことだが、一級のプロパガンダ映画であろう。だって『サブリナ』の時も思った事だが『ボガード』って、イケメンのかっこいい人には見えないけどなぁ。作られたハードボイルド感がどうしても見え隠れする。
ゲイリー・クーパーとかグレゴリー・ペックとかの方が合っていると思うが。だって、イングリット・バーグマンとかオードリー・ヘップバーンですからね…