「脚本は最高に良い」カサブランカ KIDO LOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本は最高に良い
黒澤明は
面白い脚本からくだらない映画ができることはあっても、くだらない脚本から面白い映画ができることはない
と言ったそうだが、これはまさに前者である
この映画は脚本がすごく良いと思う。この架空の街の架空の設定における人々の心の辛さや幸せを見事に描いている。
しかしとても残念なことに配役が大失敗だと思うのだ。ハンフリーボガードはちょっと活動家という感じが出ないしイングリッドバーグマンはこの役をやるには美しすぎる。それにキャラがあまり出てなくてただ美しいだけの女性になってしまっている。さらにライバル役の国民の希望的な活動家なのだが、完全にプレイボーイタイプを持ってきてしまった。脚本からするとこの役は見た目の冴えない男がやるべきなのだ。それを監督が何を勘違いしたか恋愛ドラマとして作り上げようとしたのでこのような配役になってしまった。そもそも脚本と監督が合わなかったのだろう。ハンフリーボガードのファンには申し訳ないがこれは失敗作だと思う。しかし脚本が良いので脚本だけをおってみれば逆に名作に感じる。そんな映画だと思った。
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