影無き男（1934）のレビュー・感想・評価

高校生から大学生の頃にかけて浴びるように観た30年代の映画の中でもかなりお気に入りの一本です‼️探偵社に勤めるニックは、富豪の娘ノラとの結婚を機に会社を退職。二人がニューヨークへ出かけると、失踪した父親を探してほしいとの依頼が舞い込み、ニックはしぶしぶ捜査を開始、探偵好きのノラと愛犬アスタもこれに加わる・・・‼️この作品は、原作が「マルタの鷹」のダシール・ハメットなんですよね‼️ハードボイルドの極致みたいな「マルタの鷹」に比べて、ちょっとお遊び的で、キザっぽくて、かるーくて、ソフィスティケイトな作品‼️でもちゃんとしたミステリーで、事件に関わる様々な人物たちを巧みに描いてラスト、ニックが関係者たちをテーブルに座らせ、真犯人を導くシーンはホントに素晴らしい‼️そして忘れてならないのがニックを演じるウィリアム・パウエルと、ノラのマーナ・ロイ、そして愛犬のアスタ‼️これ以上幸せなカップルとペットはいないと思わせるほどのおしどり探偵ぶりを見せつけてくれます‼️キザで少しズッコケキャラなのに、いざとなったら名探偵ぶりを発揮するウィリアム・パウエルも、ホントに素敵なおじさまぶり‼️そしてノラ役のマーナ・ロイ‼️なにかと夫にチョッカイ出してる可愛い妻‼️しかめっ面が最高にキュート‼️夫の活躍するところ、カッコいいところを見たい妻‼️都会的で洒落ててソフィスティケートな妻‼️私はこの作品でマーナ・ロイの大ファンになりました‼️そして愛犬アスタの存在感‼️「横になって」と命じても従わず、「立て」と命じるとお座りしてしまう‼️銃声にビビってベッドの下に隠れる始末‼️別に大した活躍をするわけでもないのに、存在感バツグンな愛犬‼️ニックとノラに次ぐ三番目の主役ですね‼️こんな二人と一匹のニューヨーク上流の酒脱な結婚生活をはさみながら、ユーモアたっぷりに展開するホントにステキな探偵映画‼️ハードボイルド味あふれるハメットの原作から、こんなユーモアあふれる愛すべき作品を生み出したW・S・ヴァン・ダイク監督に拍手‼️