「この世界観が浸透していく心地良さ」輝きの海 kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
この世界観が浸透していく心地良さ
荒廃とした海、断崖絶壁。佇む母と息子。想像力を掻き立てる印象的な音楽。冒頭から魅せる映像の美しさに言葉を失いました。原題は「Swept from the Sea」。
異国の遭難した男を助け、愛した薄幸な女性。彼女は彼が自分が愛してやまない海からの贈り物だと受け止めます。閉鎖的な小さな村でずっと奇人扱いされてきた彼女と、やはりよそ者として不当な扱いを強いられた彼との灯火のような愛が、美しい情景の中でドラマチックに描かれていきます。
映画「ピアノ・レッスン」と類するタイプの作品です。レイチェル・ワイズの澄んだ深い瞳と表情が素晴らしいです。すべては序盤のあのシーンへと還っていく。
海は母体。そんなことを思い出しました。また観たくなる作品の一つです。
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