「映画ファンへの死刑宣告 兼 ラブレター」カイロの紫のバラ Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ファンへの死刑宣告 兼 ラブレター
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暇さえあれば映画を見ている自分のような人間にはたまらなく切なくて暖かい映画
当時40歳だったとはとても信じられない、諸々可愛くてたまらないミアファロー 演じるセシリアに起こるまさしく 映画 のような出来事は最後 全て当然であり必然であった かのようにあっさり、すっぱり消え去ってしまう。ジェフダニエルズ演じるギルシェパードも一見するととてつもなく薄情な輩に見えてしまうけど、恐らく一連の出来事はセシリアだけではなく、この二人にとって 束の間の現実逃避 であった というのが個人的な解釈であり、恐らくこれこそウディアレンの 映画観 なのだと思う。
映画なんて見ても何の腹の足しにもならないし、束の間の現実逃避は出来ても映画館を出ればそこには避けようもない現実が待っている。
そんな、素晴らしい映画を見た後に感じるある種の 虚しさ をこれ以上なくチャーミングに、儚く撮ってみせたところがたまらなく良い。
そして何より素晴らしいのは 何故それでも私たちは映画を見てしまうのか という永遠の謎に、ラストミアファローの最高に切なく悲しい笑顔のみで回答してみせるスマートさよ。
また映画を見よう とここまでど直球に思わせてくれる作品は他にはない。大好きな一本。
あととにかくミアファローがかわいい
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