海底二万哩のレビュー・感想・評価
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原作と映画のノーチラス号の動力が違う
『紅〇豚』『天空〇城ラピ〇タ』『アバタ〇』を連想出来る場面が沢山登場する。
さて、この潜水艦の動力にこの映画のテーマがある。そして、1955年代の南太平洋の状況を鑑みれば、ネモ船長の正体も理解出来る。
さて、ネモ船長の取った最後の行動をどう受け取るかだと思う。そして、原作は物凄く先進的な内容である事は間違いない。しかし、現在に於いては残念ながら、ネモ船長はマッドサイエンティストであり、ここに登場する登場人物たちは20世紀の男の冒険家の名残りと言う事になる。
最後の爆発を見て
『物凄い爆発だ』と言う台詞が発せられる。そのバルケニアは南太平洋のある実験の場所であり、日本人はそこで3回目の被害に合う。
『オッペンハイマ〇』も同じテーマでしょ。
The sea is everything. 気合いの入ったディズニーの実写映画
やー、1954年の作品とは信じられない。海の撮影とか物凄いです。70年近くも昔にあんな撮影どうやってたんだろう?って不思議に思えるぐらい気合い入ってました。1954年ってまだダイビング器材も未発達だったろうになぁ。
原作は中学生ぐらいの時に一時期古典的SFにハマった頃に読んでたのですが映画は初めてで。まぁ中学生当時は古い映画を観ようといった発想自体なかったもので。でも、観てみるもんですよね~。スゴい良くできていたと思います。よくよく考えると1954年ってゴジラと同じ年‼️インパクトはゴジラの方があったでしょうけど、カラーで大王イカもよく動いてって考えると本作は上手く作ってあるなっと思います。当時からディズニーってスゴかったんですね。
ネモ船長がインド系でなかったり、最後に死んじゃったりと原作とはちょこちょこ違う点はあっても映画は映画で上手くまとまっていたと思います。エンターテイメント作品としてレベル高いっす。アメリカ映画の歴史というか、この昔からハンパない作りしてたって事を物凄く感じました。正直ビックリでした。
後アシカくんが有能です。ちょっとペットに欲しいかも?
海底に眠った人類の未来
ジュール・ヴェルヌの古典小説をウォルト・ディズニーが映画化したSF海洋アドベンチャー。1954年の作品。
19世紀、船舶が謎の怪物に襲撃される事件が続発。海洋学者アロナクスが調査に向かう。調査が進展せず打ち切りになった時、怪物が出現。船は襲撃され、アロナクスと助手コンセイユ、銛打ちのネッドは海へ放り出される。漂流した後辿り着いたのはその怪物…ではなく、正体は何と!超高度テクノロジーの潜水艦、ノーチラス号。3人は艦長のネモに捕らえられてしまう…。
人類の目が宇宙にまで向けられている今、まだ解明されていない点はあるとは言え、海底はそう未知の領域ではないかもしれない。
が、かつては遥かなる未知の領域であった。
そこに何があるか、何が潜んでいるか。
ワクワク、スリル、興味、冒険心は全く尽きない。
本作はそれらを醍醐味たっぷりに凝縮。
海で頻発する怪奇な事件。
その驚きの犯人。
3人の命運。
ネモ艦長の目的とは…?
地上世界とは全く違う海底世界。
地上世界も勿論美しいが、海底世界はそれにプラス、神秘的。
驚愕は、ノーチラス号。19世紀ではあり得ない近未来テクノロジー。
造り上げたネモ艦長は未来人とか突飛なSF設定ではなくれっきとした19世紀人。未来を行く超天才だが、一体どうやって…? そのエネルギー源は…?
さすがはハリウッド(ディズニー)、たっぷり予算を掛けた大作なだけあって、特撮は高クオリティー、スケールは充分、見所満載。
特撮で描かれるノーチラス号による船舶襲撃、海底描写は特撮好きとしては堪らない。
特撮シーン最大の見せ場は、ノーチラス号vs巨大イカ(クラーケン)。足の操演も見事。浮上し、嵐の海上で主人公らとバトルも!
しっかり作り込まれた美術やノーチラス号のデザインもクラシックでカッコいい。何だか見てたら東宝往年の名作『海底軍艦』を彷彿した。
海で食べる食事や次第に明らかになる重厚なドラマ…。これらはドラえもん映画の『海底鬼岩城』を思い浮かべた。
この2作だけではないだろう。他にも多大な影響を。
本当に全ての海を舞台にした冒険活劇の原点。
主な登場人物は4人。
語り部であるアロナクス教授。何よりも平和優先で理性的だが、時々科学の進歩に対し盲目的になる。
助手のコンセイユ。忠実だが、時々自分の立場や意見を変える傾向あり。
銛打ちのネッド。陽気だが、粗野な性格。何かとネモ艦長に反発したり、ノーチラス号から脱走しようとしたりする。その一方、クラーケンとの闘いで海に落ちたネモを助けるなど根は決して悪い奴ではない。
そして、ネモ。天才で、素性は謎多き。普段は紳士的だが、船舶襲撃やネッドに厳しい罰を下すなど時には冷徹さも厭わない。クラーケン襲撃時は自ら先頭になど実は熱い漢だが、長年暗い海の底で暮らしているせいかその心を…。
四者四様。それぞれ性格が活かされ、まるで一つの世界の縮図を見ているようで、狭い艦内で繰り広げられるドラマも見応えあり。
ネッド役のカーク・ダグラスの好演。
でもやはり、ネモ役のジェームズ・メイソン。風格と狂気が滲み出る。
最高のエンタメ。
最高のエンタメには、最も重要な要素が付く。
ノーチラス号の基地に向かう途中、ネモはアロナクスにある島を見せる。
「かつて私もこの島の奴隷だった」
何よりも海を愛し、何よりも地上を嫌悪する。彼の姿が見えた一瞬。
地上では人間たちの醜い争い、エゴ、19世紀なら奴隷制度も。実際に奴隷であったネモが地上の人間たちを憎む気持ちも分からんでもない。
が、船舶襲撃は決して許されない。罪も無い人の命を…。
彼はやはり、マッド・サイエンティストなのか…?
ネモが地上の人間たちを憎んだ一方、一筋の希望を見出だそうとしたのも事実。その証拠そのものが、このノーチラス号だ。
科学の結晶。これを世界に知らす。それに相応しい人物を探す。
人類の未来を信じてーーー。
…しかし、あの時代、この強大な力を手に入れて、人類はどう利用しただろう。
劇中では明確にされていないが、間違いなくエネルギー源は原子力。
この強大で、恐ろしい力を…。
人類を信じたいが、後にその力で愚かな行為や悲劇、失態もあった。
ラストはあれで良かったのかもしれない。
艦長は艦と共に。そして、絶対に戦争の道具にしてはならないこの未知なる力と共に。
海底には、信じた人類の“未来”が眠っている…。
海洋活劇の名作
1954年にこれほどまでにリアルで美しい海底を描くとはウォルト・ディズニープロの底力、本領発揮である。物語は海洋冒険活劇でもあり社会派ドラマでもある。主人公ネモ船長は稀代の天才科学者でありながら革新的エネルギー研究の開示を拒んだため政府に妻子を虐殺された恨み故のテロリスト、南大西洋の怪物と恐れられ航行する船舶を次々と潜水艦ノーチラス号で撃破、沈没させている。怪物調査に巻き込まれたパリ博物館の教授と助手、銛打ちの水夫がノーチラス号に拾われ別世界のような海洋体験を重ねてゆく、最後は水夫の流した瓶に入れた手紙で秘密基地が海軍に知られ戦闘となる・・。是々非々であるが航海に密着することでネモ船長は根っからの狂人ではないと伝わってくる、科学への信条も含めて奥深い。ドラマ性を別とすればなんといっても見どころは水中撮影技術と鋸鮫のようなノーチラス号の造形美だろう。ネモ船長の発明した新エネルギーは核を連想させるが19世紀の原作にはない、戦後故の脚色だろう。海洋もので大王イカや巨大オクトパスが絡むのはもはやお約束、船長のペットのアシカ君や亀の甲羅のギターなど小ネタもサービス。同じような時期に作られたチェコ映画「悪魔の発明(1858)」と似通うが格の違いを見せつけられた感がある、文句なしの海洋冒険活劇の名作であろう。
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