海底二万哩のレビュー・感想・評価
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平和を求めるネモ艦長
ディズニープラスで久々に鑑賞。
1950年代の映画とは思えない映像美で、CGなしでも神秘的な水中シーンを撮影できたことに驚きました。また、巨大イカと戦うシーンは今のアクション映画に負けないスリリングなものとなっていました。
ネモ艦長の言動や行動から、善人でもあり悪人でもある科学者のように捉えました。彼は戦争を繰り返す地上の人間を恨んでおり、自身が開発したノーチラス号で彼らを排除していました。地上人からすれば彼は悪者のように感じますが、ネモ艦長の視点から見ると争いのない平和な世界を望んでいるのではないかと考えました。
ちなみに、東京ディズニーシーには本作をベースにした同名のアトラクションが存在します。ここでは、小型潜水艦に乗って未知なる深海を探検します。水中農園や巨大イカの襲来など、映画のシーンを連想させる場面が多いので、鑑賞後に乗ってみると新たな発見があるかもしれません。
気になった方は是非乗ってみてください。
原作と映画のノーチラス号の動力が違う
『紅〇豚』『天空〇城ラピ〇タ』『アバタ〇』を連想出来る場面が沢山登場する。
さて、この潜水艦の動力にこの映画のテーマがある。そして、1955年代の南太平洋の状況を鑑みれば、ネモ船長の正体も理解出来る。
さて、ネモ船長の取った最後の行動をどう受け取るかだと思う。そして、原作は物凄く先進的な内容である事は間違いない。しかし、現在に於いては残念ながら、ネモ船長はマッドサイエンティストであり、ここに登場する登場人物たちは20世紀の男の冒険家の名残りと言う事になる。
最後の爆発を見て
『物凄い爆発だ』と言う台詞が発せられる。そのバルケニアは南太平洋のある実験の場所であり、日本人はそこで3回目の被害に合う。
『オッペンハイマ〇』も同じテーマでしょ。
フラベリーナオキュリーナ
ディズニープラスで視聴してカラーだったし、2011年と書いてあったから最近なのかなと思ったけど、ここには1955?!と書いてある。リメイクしたのかな?にしてもノーチラスやダイオウイカのシーンはGCなしでもクオリティが高い。
題名にあるように海底がひたすら出てくるのかと思いきや、結構水上や陸上のシーンが多かった。
それに深海の怪物や冒険がメインなのかと思いきや、艦長の悲惨な過去、人間の愚かさ、憎しみと怒りで支配される艦長の姿やそれに感化される教授などヒューマンドラマの要素が強かった。
The sea is everything. 気合いの入ったディズニーの実写映画
やー、1954年の作品とは信じられない。海の撮影とか物凄いです。70年近くも昔にあんな撮影どうやってたんだろう?って不思議に思えるぐらい気合い入ってました。1954年ってまだダイビング器材も未発達だったろうになぁ。
原作は中学生ぐらいの時に一時期古典的SFにハマった頃に読んでたのですが映画は初めてで。まぁ中学生当時は古い映画を観ようといった発想自体なかったもので。でも、観てみるもんですよね~。スゴい良くできていたと思います。よくよく考えると1954年ってゴジラと同じ年‼️インパクトはゴジラの方があったでしょうけど、カラーで大王イカもよく動いてって考えると本作は上手く作ってあるなっと思います。当時からディズニーってスゴかったんですね。
ネモ船長がインド系でなかったり、最後に死んじゃったりと原作とはちょこちょこ違う点はあっても映画は映画で上手くまとまっていたと思います。エンターテイメント作品としてレベル高いっす。アメリカ映画の歴史というか、この昔からハンパない作りしてたって事を物凄く感じました。正直ビックリでした。
後アシカくんが有能です。ちょっとペットに欲しいかも?
海底に眠った人類の未来
ジュール・ヴェルヌの古典小説をウォルト・ディズニーが映画化したSF海洋アドベンチャー。1954年の作品。
19世紀、船舶が謎の怪物に襲撃される事件が続発。海洋学者アロナクスが調査に向かう。調査が進展せず打ち切りになった時、怪物が出現。船は襲撃され、アロナクスと助手コンセイユ、銛打ちのネッドは海へ放り出される。漂流した後辿り着いたのはその怪物…ではなく、正体は何と!超高度テクノロジーの潜水艦、ノーチラス号。3人は艦長のネモに捕らえられてしまう…。
人類の目が宇宙にまで向けられている今、まだ解明されていない点はあるとは言え、海底はそう未知の領域ではないかもしれない。
が、かつては遥かなる未知の領域であった。
そこに何があるか、何が潜んでいるか。
ワクワク、スリル、興味、冒険心は全く尽きない。
本作はそれらを醍醐味たっぷりに凝縮。
海で頻発する怪奇な事件。
その驚きの犯人。
3人の命運。
ネモ艦長の目的とは…?
地上世界とは全く違う海底世界。
地上世界も勿論美しいが、海底世界はそれにプラス、神秘的。
驚愕は、ノーチラス号。19世紀ではあり得ない近未来テクノロジー。
造り上げたネモ艦長は未来人とか突飛なSF設定ではなくれっきとした19世紀人。未来を行く超天才だが、一体どうやって…? そのエネルギー源は…?
さすがはハリウッド(ディズニー)、たっぷり予算を掛けた大作なだけあって、特撮は高クオリティー、スケールは充分、見所満載。
特撮で描かれるノーチラス号による船舶襲撃、海底描写は特撮好きとしては堪らない。
特撮シーン最大の見せ場は、ノーチラス号vs巨大イカ(クラーケン)。足の操演も見事。浮上し、嵐の海上で主人公らとバトルも!
しっかり作り込まれた美術やノーチラス号のデザインもクラシックでカッコいい。何だか見てたら東宝往年の名作『海底軍艦』を彷彿した。
海で食べる食事や次第に明らかになる重厚なドラマ…。これらはドラえもん映画の『海底鬼岩城』を思い浮かべた。
この2作だけではないだろう。他にも多大な影響を。
本当に全ての海を舞台にした冒険活劇の原点。
主な登場人物は4人。
語り部であるアロナクス教授。何よりも平和優先で理性的だが、時々科学の進歩に対し盲目的になる。
助手のコンセイユ。忠実だが、時々自分の立場や意見を変える傾向あり。
銛打ちのネッド。陽気だが、粗野な性格。何かとネモ艦長に反発したり、ノーチラス号から脱走しようとしたりする。その一方、クラーケンとの闘いで海に落ちたネモを助けるなど根は決して悪い奴ではない。
そして、ネモ。天才で、素性は謎多き。普段は紳士的だが、船舶襲撃やネッドに厳しい罰を下すなど時には冷徹さも厭わない。クラーケン襲撃時は自ら先頭になど実は熱い漢だが、長年暗い海の底で暮らしているせいかその心を…。
四者四様。それぞれ性格が活かされ、まるで一つの世界の縮図を見ているようで、狭い艦内で繰り広げられるドラマも見応えあり。
ネッド役のカーク・ダグラスの好演。
でもやはり、ネモ役のジェームズ・メイソン。風格と狂気が滲み出る。
最高のエンタメ。
最高のエンタメには、最も重要な要素が付く。
ノーチラス号の基地に向かう途中、ネモはアロナクスにある島を見せる。
「かつて私もこの島の奴隷だった」
何よりも海を愛し、何よりも地上を嫌悪する。彼の姿が見えた一瞬。
地上では人間たちの醜い争い、エゴ、19世紀なら奴隷制度も。実際に奴隷であったネモが地上の人間たちを憎む気持ちも分からんでもない。
が、船舶襲撃は決して許されない。罪も無い人の命を…。
彼はやはり、マッド・サイエンティストなのか…?
ネモが地上の人間たちを憎んだ一方、一筋の希望を見出だそうとしたのも事実。その証拠そのものが、このノーチラス号だ。
科学の結晶。これを世界に知らす。それに相応しい人物を探す。
人類の未来を信じてーーー。
…しかし、あの時代、この強大な力を手に入れて、人類はどう利用しただろう。
劇中では明確にされていないが、間違いなくエネルギー源は原子力。
この強大で、恐ろしい力を…。
人類を信じたいが、後にその力で愚かな行為や悲劇、失態もあった。
ラストはあれで良かったのかもしれない。
艦長は艦と共に。そして、絶対に戦争の道具にしてはならないこの未知なる力と共に。
海底には、信じた人類の“未来”が眠っている…。
海洋活劇の名作
1954年にこれほどまでにリアルで美しい海底を描くとはウォルト・ディズニープロの底力、本領発揮である。物語は海洋冒険活劇でもあり社会派ドラマでもある。主人公ネモ船長は稀代の天才科学者でありながら革新的エネルギー研究の開示を拒んだため政府に妻子を虐殺された恨み故のテロリスト、南大西洋の怪物と恐れられ航行する船舶を次々と潜水艦ノーチラス号で撃破、沈没させている。怪物調査に巻き込まれたパリ博物館の教授と助手、銛打ちの水夫がノーチラス号に拾われ別世界のような海洋体験を重ねてゆく、最後は水夫の流した瓶に入れた手紙で秘密基地が海軍に知られ戦闘となる・・。是々非々であるが航海に密着することでネモ船長は根っからの狂人ではないと伝わってくる、科学への信条も含めて奥深い。ドラマ性を別とすればなんといっても見どころは水中撮影技術と鋸鮫のようなノーチラス号の造形美だろう。ネモ船長の発明した新エネルギーは核を連想させるが19世紀の原作にはない、戦後故の脚色だろう。海洋もので大王イカや巨大オクトパスが絡むのはもはやお約束、船長のペットのアシカ君や亀の甲羅のギターなど小ネタもサービス。同じような時期に作られたチェコ映画「悪魔の発明(1858)」と似通うが格の違いを見せつけられた感がある、文句なしの海洋冒険活劇の名作であろう。
反戦、反核
子供の頃、ぼーっと観ていただけだったので、改めて観ると、すごい!!この潜水艦のデザイン・・・魚だ。ネモ船長が貨物船を攻撃する理由もわかった。積荷は火薬ばっかりなんだし、すぐ爆発して沈没してしまう。この映画が作られたのは朝鮮戦争の時代なのに反戦という言葉も出ていたんですね。知りませんでしたよ、まったく。単なる冒険もの映画ではなく、結構骨太の映画だったのですね。
ただ、核兵器など化学兵器を悪しき物として捉えるところや潜水艦そのものに関して言えば、1868年という設定にする必要性はあったのか・・・これだけが疑問だ。
古き時代の海への憧れと想像の空想科学小説を、進歩した現実世界のほうが追い越してしまった
総合40点 ( ストーリー:40点|キャスト:65点|演出:55点|ビジュアル:50点|音楽:65点 )
科学技術の発達していないこの時代に海への憧れをこのように空想科学小説に描いた原作者ジュール・ヴェルヌは天才だと思うが、いかんせん19世紀の想像の産物である。大王イカの調査が進み、魚雷にミサイルまで搭載した原子力潜水艦が世界中の海をうようよと動き回っている現在はすでに彼の想像をはるかに追い越してしまって、この話の展開はやはり古い。NHKやディスカバリーのドキュメンタリー番組で現実の深海生物や潜水艦のことを見ているほうが数段面白いと残念ながら感じてしまう。さらに映画の製作年が1955年というのもあって、映像技術とセットの古さが目について楽しめるものではなかった。
ちなみに世界最初の原子力潜水艦が完成し、それがジュール・ヴェルヌの「海底二万哩」に登場する原子力潜水艦の名前にちなんでノーティラス号と名付けられたのは、この作品の公開の前年の1954年である。そのような時代背景もこの作品の制作にはあるのだろう。
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