汚名のレビュー・感想・評価
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ヒッチの通常取扱作品
ドイツを敵役にした国際諜報戦のお話ですが、いつも通りラブロマンスサイドも強調されています。 ヒッチにグラント先輩が出ていると盤石の安心感を感じます。
【ナチスドイツのスパイであった女性と、FBI捜査官との恋を描いたラヴ・ストーリー。】
■イツのスパイ容疑がかけられた父を持つアリシア(イングリッド・バーグマン)は、売国奴として世間の非難を浴びていた。 そんな彼女にFBI捜査官・デブリン(ケイリー・グラント)が近づく。 デブリンはナチ一味を探る職務に就いていて、追っているセバスチャンをよく知るアリシアを利用しようとした。 ◆感想 ・私が見た中でのイングリッド・バーグマン主演の映画作としては今作は異色である。但し、イングリット・バーグマンのそれまで気付かなった低音ヴォイスが魅力的である。 ー 敢えて、低音ヴォイスにしたのかは分からない。- ・ストーリー展開は、分かりやすいのであるが、私が生まれる遥か前の映画って、何でこんなに、気品ある作品になるのかな、と思った作品である。 <イングリッド・バーグマンの、それまでの陰のある女性を演じる姿と共に、新境地を求めた作品なのかな、と思った作品である。>
ヒッチコックにしてはメリハリが足りない
なんとヒロインが父のスパイ容疑で酒浸り。 そんな汚名を返上すべく?奮闘しつつ 惚れた男のために頑張る。 と書くと健気にさえ感じる。 とはいえイングリッド・バーグマンが 健気というテイストの美人ではなく キリッとしてる顔立ちなので やさぐれ感が勝ってしまう。 全体は安定して楽しく見られるのだけど ヒッチコックならば、もっと ハラハラとする場面、展開が 来るのではないかと期待してたら 萎んで終わってしまった。 絶望的なその後を迎えるだろう夫の 背中の終わり方はしびれるが。 しかしそこまで酷い夫でもなかったので 哀れに思った。
1分半で47カット!
自由闊達なカメラワークとカッティングが光るヒッチコックらしい一作。サスペンスとメロドラマが絶え間なく相互嵌入する筋立てはいかにも正統なるフィルム・ノワールといった風格だ。硬派気取りのケーリー・グラントがあれよあれよという間にイングリッド・バーグマンの健気な魔性に魅入られていく流れは凡庸といえばそれまでだが、とはいえこんなに美しい女が目の前に現れたら誰だって仕方ないよな…という視覚的説得力がバーグマンにはある。 ヒッチコックは作品ごとに異なるアプローチでカメラワークやカッティングの決まりごとを脱臼させていく。『めまい』ではカメラを素早く手前にドリーしながら対象をズームすることで高所恐怖症患者の不安定な心境を表現し、『ロープ』ではロングショットを繋げていくことで疑似的な全編ワンカット映画を成立させ、『裏窓』では怪我で自宅療養中の男の視線にカメラを局限することで観客にVR的なスリルと没入感をもたらした。 かくして映画史的パラダイムシフトを次から次へと引き起こしていったのがヒッチコックという監督だ。しかし彼は過去作の分析的批評に端を発するヌーヴェルヴァーグやそれ以降のいわゆる芸術映画などとは根本的にスタンスを異にしている。彼はただ「観客によりビックリしてほしい」というただその一点に心血を注いだ結果、図らずもその名を映画史に刻んでしまったのだ。古代の平民が使っていた皿や壺が実のところとんでもない超技術によって焼き上げられていた、みたいな話はよくあるが、それの映画版がヒッチコックだ。 さて本作の最もヒッチコックらしいポイントは、言わずもがなラスト数分の目まぐるしいカット割りだ。映画評論家の北村匡平が分析したところによると、グランド演じるデヴリンとバーグマン演じるアリシアが屋敷から脱出するまでのわずか1分半の間に、カットが47回も切り替わっているという(『24フレームの映画学』)。今でこそ目まぐるしいカット割り演出はそこそこの頻度で見かけることがあるが、それでも1940年代に平均して2秒に1回のカットというのは常軌を逸している。 やっていることといえば、親ドイツ労働者党の紳士たちが向ける疑惑の視線を素通りして屋敷の外に出て行くというただそれだけのことなのだが、そこには視線の動き一つで全てがひっくり返ってしまうのではないかと思われるような緊張感がある。とにかく目、視線だ。目が口に先んじて全てを語っている映画だ。たとえ無音でも登場人物たちの視線の動きを追えばなんとなく何をしているのかがわかる。特にセバスチャンの目はすごい。彼の目は蛇のように屋敷じゅうを這い回り、鍵の増減やワイン室での隠蔽工作を目ざとく発見する。 後半の緊張感溢れる雰囲気に比して前半はかなり脳天気でユルユルだ。まるで違う映画のようでさえある。ヒッチコックなんかつまんねーよ!と知人に苦情を言われたことがあるが、理由を訊いてみると前半の退屈さに耐えきれなかったからだという。確かに、あのヒッチコックなんだから徹頭徹尾宙吊りの緊張感に晒されるんだろうな…などと覚悟してかかると、意外にも肩透かしを喰らうことは多い。けどそこがいい。やはりヒッチコックは映画史に名を刻む芸術家である前に、愚かなるアメリカ国民に奉仕する職業監督なのだ。初めのうちはポップコーンをコーラで流し込んでボーッと画面を見上げていても理解できるような平々凡々の話を垂れ流しておいて、次第にギアを上げていく。そして最後にはトイレに行くのも忘れるほどの張り詰めたサスペンスとカタルシスをお見舞いする。 映画内のみならず観客の様相をも自由自在に操作してしまうヒッチコックはやっぱりすごいな、と改めて思った。
良く出来た映画だが、イングリッド・バーグマンにスパイ役があまりハマらない
その美貌と国家への忠誠心が見込まれて南米のナチス残党への素人スパイを、バーグマンに任す。確かに、ジジ殺しされるのも無理からぬ美貌ではあるが、ケイリーグラント演ずるFBI連絡員に最初の方からくびったけで、甘さダダ漏れなので、スパイ役はあまり似合わないと思ってしまった。 とは言え、度胸の良さを示す酔っ払っての高速での運転シーン、二人で秘密部屋の鍵を受け渡すクローズアップ映像、夫に部屋探索を見つかりそうでのカモフラージュ目的のキスシーン、スパイ察知後の夫と老母での病人化計画、毒を盛られて動けないバーグマンを仲間内の疑心暗鬼利用しての正面突破で救出する展開等、見事なストーリー展開とは思った。 実はマザコンであった夫の年老いた母の冷徹な悪さも印象的。そして彼らの、スパイと結婚したことによる仲間による始末を暗示するラストも、イキな終わり方。
逆カサブランカ
または魔性のイングリット・バーグマン。 配信トレンドに入ってたのでなぜ? と思いつつ、Amazonにて鑑賞。 観終わってから吹替版があることに気づいた。。これはたぶん吹替で観るべき作品。 シリアスで重たそうなタイトルに構えてしましたが、ぜんぜん気楽に観られる作品でした。ロマンチック・スパイ・サスペンス。 そんなジャンルはないと思うけど、とにかく主役2人がかわいい。 「百萬両の壷」といい「かぐや様」といいツンデレ×ツンデレの可愛さは無敵なのかなあ。 バキバキの美男美女なのに、やってることはほぼ中高生レベル。 カサブランカ同様、イングリット・バーグマンのバーグマン力が確実にドラマを下支えしていますね。溌溂かわいい。 オチはだいたい予想がつくけど、それでもなおハラハラさせられるし、映像がものすごく雄弁なのでわかりやすい。 複数人が画面にいても視線誘導で自然に何を見たらいいかわかる。 そして説明の負担が減るぶん、セリフは最低限で事足りて、不粋な説明セリフにならずに済む。それで意図が伝わるし、本当に教科書的。 今なら裏切りのための裏切り展開とかになりそうだけど、結局観客(Like 私)が求めてるものは案外ストレートな王道だったりする。 これ、やろうと思えばもっと引き伸ばせるし、なんなら韓流メロドラマとかにありそうな設定。 ヒッチコック作品としてはトップクラスとまでは行かないだろうけど、平日の夜に観るにはちょうどいいボリューム。 ドラマのオーソドックスさに比べて、画面の作りは異様でした。 おそらく俳優が出てる場面はたぶん全部スタジオ撮影のはず。車の車窓だけじゃなく、カフェも公園も競馬場すら、背景はスクリーンプロセスだと思う。 ここまで徹底していると、どういう手順で撮影したのか、逆に興味がわいてしまう。 背景を先に収録してからセットを建てて役者がインするってこと…? 確かに天候に左右されることなく撮影できるし、スターのスケジュール上は理想的かも。 画質の悪い古い映像でもはっきりわかるので、もし4kとかにしたらどうなっちゃうんだろう。。 一番怖いあの人のシーンは妙に生々しい存在感を放っていて、あの人たちの過去、関係性がどうだったかについて、いろいろ想像をかき立てられました。
まだまだヒッチコック
ポール•ニューマンの『ハスラー』を見た時にも思ったのです 彼の場合は瞳の色、白黒作品のはずなのに青い瞳に見えてくる感覚がありました、彼の場合はもともとカラー作品でさんざん見てましたから記憶されていますけどこの作品での印象は映画を見終えた時にイングリット・バーグマン自体がカラーに思えてしまうのです。 80年ほど前も現代も女性の美しさの定義はほとんど変わらないのですね 現代のイケメンとあの頃の二枚目ではかなりの違いがあるように思えますが 時代によっていろいろと制限がありますがこの作品もかなりの制限の中で作られたようです 何でも自由になるよりかは制限があるほうが創意工夫で新しいものになって行くようです 面白いものです
ちょっと、セバスチャンがかわいそう😢 正義のためといっても、心を弄...
ちょっと、セバスチャンがかわいそう😢 正義のためといっても、心を弄ぶのはちょっと・・。 セバスチャンとアリシアは、カサブランカの、ルノー署長と、エルザですね♪
秀逸の美しさのイングリッドバーグマン
イングリッドバーグマン扮するアリシアハバーマンの父にナチスのスパイとして反逆罪で懲役20年の判決が出た。アリシアは、ケーリーグラント扮するFBIのデブリンとドライブしたが、飲酒運転で捕まるところデブリンが回避したので、警官だったのかと怒った。デブリンは、アリシアに父の汚名を晴らすためブラジルでスパイ捜査の手伝いをする様に言った。アリシアは、デブリンにこんな私を好きになったら大変ねと言った。デブリンは上司から呼ばれ、アリシアに内情を探らせよと言われた。愛を確認しあった二人の運命や如何に? 仕事とはいえ偽装結婚までするのかな? イングリッドバーグマンの美しさは秀逸なので、イングリッドを観ているだけでも満足出来るね。
キスシーンだけじゃない!
ストーリーも凝りすぎるほどに凝っていて、読めない展開に脱帽しました。 まさかああなるとは思わないよね。 2大スターの共演も見応えもある。 ヒッチコックとは思えないくらいにロマンス多めの作品だったが、 名シーンも多い。 地下のワイン倉庫からのシーンも名場面。
ヒッチコック映画は映画の教科書
映画はやはりmotion picturesというだけあってpictureで物語っていくものだというお手本のような映画。イングリッド・バーグマンの手にズームしていくカメラワークの素晴らしさ❗
終盤の階段シーンの物凄い緊迫感は見もの
白い恐怖に続いてイングリッド・バーグマンが主演 彼女をもう一回出してラブシーン強化でやれば大当たり間違いなしとの方針がでたのか、お相手に格好いい二枚目ケーリー・グラントを起用 長い長いキスシーンなど、二人のイチャイチャシーンがヒッチコック映画としては珍しくかなり多い このため中盤まではテンポも緩くサスペンスも少な目 イングリッド・バーグマンの美しさを愛でるだけでなんとか持ちこたえないといけない いささか忍耐力を必要とする ところが終盤の階段シーンの緊迫感は物凄いものがある ラストシーンのセバスチャンが黒い扉の中に戻る撮影構図は素晴らしい印象的なものであった 正に九回裏の逆転2ランであった 題名の汚名とは、もちろんアリシアの父親とその娘で有ることにかかっているのだが、アリシアに対するデブリン捜査員にもかかっているのがにくいところだ 恋愛をも捜査に利用する男という汚名は見事に晴らされるのだ
ヒッチコック二本目
物語的には結構簡単で、残念なところもあるが、もうやはり初めてのようにそのハラハラするシーンに堪能! ケイリー・グランドめっちゃかっこいいし、プラスバーグマンきれいで、ラブストーリーを見る気分で最後のキスシーンも感動で印象深かった。 ヒッチコック二本目でこれで一作目の『裏窓』と一緒に考えると、ヒッチコック流が分かるようになったかも! 授業でマルビーのフェミニズム&フェティシズムの理論で同じくヒッチコックの『裏窓』が取り上げられたが、この作品にも適用ではと。-女性が男の前に暴露される時点で男性の主人公は初めて目を向ける。最後は男は女を救う。観客も男の主人公への主体を位置づけ、女性を覗くことで快楽を感じる。-----アリシアは病気になってデヴリン初めて彼女への感情を曝け出し、彼女を救い出す。 サスペンスの部分は音楽もカメラの動きも妙に組み合わせられ、実に興味深いところだった。 最後は確かに唐突だが、気持ちいいエンディングにはなっている。繊細に作り上げられた作品だと思う。
やっぱりバーグマンは美しい。
ケイリー・グラント演じる男の大人気無さには驚いたけど、バーグマンの輝くような美しさのお陰で許す気になります。 ヒッチコックらしい、ハラハラするラストシーンが良かったな。終わりは少し唐突だったけど。
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