「潜入捜査もの」汚名 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
潜入捜査もの
クリックして本文を読む
ヒッチコックといえばサスペンスの神様とまで言われているのでいやがうえにも期待が募る、ところが本作は美男・美女の持って回ったラブストーリーかと疑心暗鬼。
もともとヒッチコックはメロドラマから出発した監督ですからラブストーリーを描くのもお手のもの、北欧美人のオスカー女優イングリッド・バーグマンを得てロマンス重視に舵を切ったのでしょう。巨匠も彼女にはメロメロで好きなように演じさせたようです。
もちろん、ヒッチコックですからナチスの秘密組織が健在でウラン鉱石がらみの陰謀を探る為に素人の美女を潜入捜査に使うと言う設定だけはサスペンス風。
ところが派手な攻防戦、アクションシーンは無くほとんどが会話劇、FBIもナチスも一般人を装っていることもあり緊張感のないやり取りは今どきのスパイものと比べたら雲泥の差、二人の長いキスシーンだけが話題になったという気の抜けたシャンパンのような体たらく。
それでも終盤は彼女の素性がバレ絶体絶命の危機と彼女のファンにはしっかり気を揉ませる仕掛けは忘れていませんでした、いわば美女の綱渡りにハラハラする趣向のサスペンスでしたかと納得。
コメントする